★★スコーレ・マスターズ通信★★ 第11号
平成17年10月20日

■ これからの『マスターズ』に期待する
        創立二十五周年にあたって 

 スコーレ家庭教育振興協会 会長 永池榮吉

 本協会は、今年で二十五周年を迎えました。《スコーレ・ マスターズ》もまた、スコーレの新たな展開を迎えた三年前、全国組織として装いも新たに出発しました。これまでの女性中心の組織から一歩進めて、男性も含めた総合的な活動体系の構築が、今後のスコーレ協会の課題であろうと考える昨今であります。
 とりわけ、日本社会は今後“危機の時代”に突入することが予想され、それはマスターズの重要な一つのテーマにさえなると思われます。家庭、育児、健康、食事、仕事、治安などを含むさまざまな危機に、賢明かつしたたかに対応する父親の存在が、今ほど求められていることはありません。
 貧しい時代、日本の男性は仕事一筋に生きてきました。また、当時はそれでよかったのです。しかし、わが国の経済的成功によって、“揺りかごから墓場まで”の福祉制度、つまり国民の生命・ 安全・ 財産は国家が守るシステムが出来てから、”生活の糧”を家庭に持ち帰るだけでは、父親としてとしての役割を果たしたとはいえない時代に変わっているのです。
 発展途上国から成熟した文明国家となった今、個々人が仕事と家庭と社会参加という、三つの鼎(かなえ)によって人生の基盤を支える姿勢が、これからは不可欠となっています。
 現実に家庭生活を動かしている妻(母親)と共に、家族を精神的に結束するために、父親として自分はどうあるべきか。私たちはそのことに真摯に向き合うことが求められています。《スコーレ・ マスターズ》はそうした、現代の父親が担わされたテーマについて、明確な解答を示す学習グループとしての期待を負っています。スコーレ二十五周年を迎えた今、《スコーレ・ マスターズ》の一層の活躍を期待してやみません。

 

■ 10月は記念の月
  
事務局長 金井 繁
「 家庭から輝く生命、愛の絆」 の標語のもと、スコーレ創立25周年記念大会が10月16日行われマスターズ会員も多数参加しました。今回マスターズからも大会役員として20名の皆さんが運営にあたりましたが大変ご苦労様でした。
 また17年度下期マスターズ研修は今月からスタート。10月29日には第5回川上杯懇親ゴルフが栃木県で開催されます。そして今月は新生マスターズ創立満3周年です。今後共マスターズ活動に積極的にご参加下さい。

滝行旅行記 修行〜楽しみへ
   埼玉北ブロック  山口 哲生

快晴の9月17〜19日、スコーレマスターズの滝行が開催されました。
 前回は修行するぞという感じでしたが、今回は滝行も含め旅行として全てを楽しもうと考えました。仕事の関係で参加を悩みましたが、先輩にアドバイスをいただき、一泊二日で参加することに致しました。
 ぶどう畑や八ヶ岳の車窓を楽しみ、山荘に到着。道着を着、山道を登り、つり橋を渡ると新滝が燦然と現れる。50mくらいあろう落差に若干畏れを抱きつつ、あら塩で清め、般若心経を唱える。滝に日が差し虹も掛かる中、2番手で合掌し、水をかぶると、去年ほど冷たくないと感じ、腹式呼吸を意識しゆっくり滝壷に歩を進めた。意外と水量もなく冷静に入れた。二日目、午前、午後と、序々に長く入れるようになり、水の強さ、やわらかさなど、三回の違いも感ぜられ滝行を楽しむという目標が達せられました。
 一日目の夕食後に開催された二次会では、会長より多数の方に体の矯正をしていただき、親切さに感動し、また、衆議院選挙結果についての講評に傾聴しました。
 通常体験できない滝行を会長、導師、介添の方々の丁寧なご指導により、安心して入れたこと、また、今年は誰も身体の異変が出なかったことに、心から感謝して感想と致します。

 

  日本家庭教育学会第20回大会 20周年記念行事に参加
 スコーレが役員・会員として関与している「日本家庭教育学会」に今回、外部研修受講の一貫としてマスターズ会員7名が初参加しました。内容を以下の通り報告致します。
平成17年8月20日(土)東京都千代田区の倫理文化センターにて日本家庭教育学会第20回大会が開催され、20周年記念行事として静岡文化芸術大学学長で愛知万博総合プロデューサーの木村尚三郎氏による基調講演会が開催されました。
 「家族の時代―安心の砦―」と云う演題で、進歩・発展の20世紀が終わり現在は進むべき方向が見えない先行き不透明な時代となっている、今後はより一層他者とのコミュニケーションの頻度と能力を高めていって閉鎖社会を解放し、さらに自他がお互いに助け合って生きる事が必要であると云う講演内容でした。木村先生の巧妙な話術とユーモアに富んだお話に聴衆一同が笑いと感動に包まれ前向きな気持ちになって帰路につく事が出来ました。 
                  (中央地区 今野洋一記)


投稿コーナー

独立という勉強と家族の有難さ
   近畿地区 田中靖彦


 私は、今年2月1日付けで会社を設立しました。これまで親族会社での困難を何度となく感じ、妻の学びを通して永池会長と出会う機会を得ました。その時、独立・起業を目指しては?とご指導を受けたのですが、自信がなく、元の会社にて自分なりに奮起してきました。しかしながら、二代目トップとの確執が原因で、身体を壊すことになり、その間、妻や子供に引越・私の愚痴など、どれだけの心配、苦労してきたかと思うと本当に申し訳なく思います。しかしながらその反面、彼女達は自身の各々の道を進んでいる事に気が付き、また、振り返ると私の好きな道を進ませてくれている事もよく分かりました。今思えば、永池会長との出会いにより、今までの成功を捨て、先義後利の信念を基にし、日々、努力していきたいと思います。最後に、子供が感受性豊かに成長してくれた事、妻と子供が私のわがままを受けいれてくれた事など、家族への感謝の気持ちで一杯です。


マスターズに入会して     
   中央地区 渋谷正夫

 私がマスターズに入会したのは、妻の勧めでした。その勧め方は単純なものでした。人生学、心身開発トレーニングのセミナーがあり他で受講すると費用が相当かかるものだということを妻は説明し、私も運動不足ぎみだからとの思いで参加しました。
会長のご講話は人生の指針となるべき要素が含まれており大いなる学習となります。次に妻が勧めたのはスコーレの早朝研修でした。週一回程度の参加ですが、早朝研修の最後に道標を唱和する三番目の文言が私の一番気に入っているもので、「今日一日、何事も学びと心得、その時その場に取り組みます」の文言です。これは私が家庭、会社を含め社会の中で経験してきた事に当てはまる道標です。妻のスコーレ活動を応援しつつ、今後、私も様々な事に対処できるパワーを身につけ学んでいきたいものだと思っております。





■ 人生学講座
連 載
「病」から教えられる @


京浜地区城南ブロックリーダー 岡本一誠


はじめに
もの心が着いて以来、大過、小過を引き起こし、天災、人災をかいくぐり(これといった天災には遭遇していないが)今日に良くたどり着いたものと思う。思い起こすと、それぞれの場面で判断が甘かったり、考え方を変えたり、思考することをも放棄したり、勇気に溢れていたりと色々であった。
 しかし、64歳の今日でもスコーレの早朝研修会場に流れる 「人生は心の学びの旅である」という言葉を実感もって感じ、なお自分は成長しつつあると感じ取ることが出きることは、嬉しいことである。
 さて、あの時に私は成長し、変化したのではないかと感じている場面の内、「病」に関わる経緯を取り出して記したい。

第1章  結  核 

 結 核  
 高校を卒業、浪人した年の1960年 6月15日私は特別奨学金を受けるための検診を受けた。そこで結核であることを従兄弟である医者から伝えられ、病室が空き次第すぐ入院するように言われた。
 病院の近くの東京タワーの展望台に上がり、頭の中は真っ白になっていたが、青い空とまぶしい日差しの中で、私はむしろ解放された感じを味わっていた。何故だろうか?
 中学 3年の12月高校受験で追い込まれた感じの中、二番目の父(実父の兄)が病死した。その後、生活を切りつめるため故郷にいた父の母と姉とが東京に出て、同居し母が働きに出ることとなった。母も結核を辛うじて薬で抑えている状況であったが働かざるを得ない。
 そのような中で、私に何かが出来るわけでもないのに、長男として(古くさい形容であるが、その様に感じるように育てられたと思う)大変な重荷が私の上にかかっているように子ども心にも感じたのであった。従って私の高校時代はいつ思い起こしても殆ど灰色の印象である。
 母は空咳をしながら勤めに出、くたびれて帰り寝る。私は勉強の合間に母の寝姿を見て、涙が溢れたことが何度かある。しかし、私に今何が出きるのだろうか。私は甘えるところも無く、心理的に追いつめられていた。
 高校 3年、受験に皆が邁進し始めた頃、私の成績はむしろ下がり始めた。雑誌「蛍雪時代」の四当五落の喧伝を信じたわけではないが、その様に勉強しても一向に能率は上がらず、成績は低迷していた。結局、浪人となり、望んだ予備校にも入れず、その予備校でも十分な成果が上がらなかった。これが心理的に追いつめられていた第二の要因である。
 また、一つ年下の妹は、私と異なり、抜群の成績で、浪人することなく進学するだろうと予想されていた。そうすると私と同学年になってしまう。これが、追いつめられた心理の第三の要因であった。


解 放 感
 病気を宣告されたことがこれらの要因から私の心を解放したといえる。すなわち、これからは、頑張らなくても良い、誰かに甘えて暮らせる、人に追い越されても理由がある。家計のことなど糞喰らえだ。
 結核にはなるべくしてなったとしか思えない。仮に、結核を患っていなければもっと大きい心理的低迷状態を起こしていたかもしれない。病気に逃げたとも解釈できるが、そうは考えたくなかった。後で、私の結核は、母の耐性菌であり、以前から罹患していて、微熱が続き、体重も49Kgとひどい状況であったことがわかった。
 巷では、安保反対の市民、学生のデモが渦巻いていた。予備校の授業を終え、今は迎賓館となった国会図書館へ通う道々、デモに時々合流して歩いた。私が結核の宣告を受けたその夜、国会突入の混乱で樺美智子さんが亡くなった。
 翌日16日は予備校へ休学届けを出し、自宅療養に入った。私は布団で枕元のラジオから18日の33万人の国会デモ中継を聞いていた。たとえ 33万分の 1でも東京にいながら、私は歴史の現場にいることが出来なかったのだ。抗しきれない状況と、何とも言えぬ開放感と、不思議な感覚の中で私は鳥瞰図的に世の中と自分とを眺めるきっかけを掴んだ気がした。(つづく)]



■ 事務局便り

下期マスターズ研修始まる
参加者募集中

 下期の第1回マスターズ研修は本部研修室にて、10月2日(日)、シニアコースとミドルコース合同で開催されました。参加人数に若干の余裕があり、受講生を募集中です。体験受講も大歓迎ですので、事務局へお問い合わせ下さい。


Webmaster より
  藤田和弘

  マスターズ・パティオの開設より早6ヶ月経ちました。9月末現在、15のスレッドと、63の書き込みがあり、コミュニケーションツールとしてマスターズメンバーに広く活用していただいております。比較的、事務局メンバーからの発信が多いようです。今後は、特に,地方マスターズ会員からの書き込みを是非お願いいたします。
 また、最近大手の検索エンジンによる検索により、マスターズホームページが、常にTOP10入りをし始めました。多くの方がご覧になられている証でもあります。
 より充実度を増し、先月より携帯サイトも開設いたしました。携帯画面で「会長の言葉」、「マスターズ通信掲載記事」をご覧頂けます。ぜひご活用ください。

 マスターズホームページURL
 http://www.schole-masters.org/
パティオのアクセス先
 http://www.schole-masters.org/patio/
携帯サイト
 http://www.schole-masters.org/i/


青朱白玄・春夏秋冬

 月曜日の朝の出勤は多くのサラリーマンにとって気が進まない時があるが、電車内で土・日に散髪したであろう男性の髪型を見ると心がほのぼのとなることがある。
それは床屋さんできれいに散髪された人よりも、家庭でおそらく奥さんにいちゃもんをつけたり、つけられたりしながらも出来栄えはいまひとつのを見ると、その家庭まで想像され心が和む。完璧よりも多少のキズがあるくらいがご愛嬌だ。幼い頃に父親から聞いたあるお寺の小僧さんの話を思い出した。小僧さんが庭の掃除を命ぜられ、落ち葉一つなく掃き清めたがかえって和尚さんにたしなめられたという。和尚さんは木をゆすり自然に落ちたくらいの風情が本当の庭掃除であると教えたそうだ。完全・完璧を求める昨今において、昔聞いたこの話は心を和ませてくれるものがある。(桑折)





■ 編集後記
  本年度から新たにマスターズ研修がシニアコースとミドルコースの2本立てになってから早いもので、もう半年が過ぎました。生きがい講座に滝行、川上杯コンペと行事が目白押しのマスターズ活動は加速度的にその勢いを増しています。マスターズ活動が「百匹目の猿」(船井幸雄著)の現象を起こすのはもうすぐです。(今野)




「当面の行事予定」 マスターズ事務局

@10月〜3月 マスターズ研修・下期
          (本部研修室)
A10月29日 第5回川上杯懇親コ ゙ ル フ 会
       (栃木・喜連川カ ン ト リ ー 倶楽部)
B11月19日 東海地区・生きがい講座
          (ぱるるプラザ岐阜)
C12月17日 首都圏・地区交流会
           (東京都町田市)
D1月20日  マ ス タ ー ス ゙ 通信12号<新年号>
            (広報委員会)