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★★スコーレ・マスターズ通信★★ 第13号
平成18年3月20日

■ 危機管理研究会報告(1) 

 「男性会員の抱える悩み・プレッシャーは何か」をテーマに昨年7月に実施した第2回会員アンケート調査結果の概略を報告します。
1.過去に経験した「悩み・プレッシャー」のトップは仕事、以下子ども、家計・経済、親・兄弟姉妹、夫婦間、自分自身と続く。(下掲グラフ参照。数字はサンプル数)




2.現在抱えている「悩み・プレッシャー」のトップは上掲のグラフのとおり、自分自身、以下仕事、家計・経済、子ども、親・兄弟姉妹、夫婦間の順であった。
 男性会員の抱える「悩み・プレッシャー」の中心的テーマは過去・現在をトータルして「仕事」がトップ、「自分自身」が2位、「子ども」の問題が3位。月刊すこーれ誌掲載の相談事例の大部分が「子ども」であることから見ると男女の悩みの差がはっきりでている。また、サンプルから言えることは男親も「子ども」の問題を悩んでいることがわかった。




3.「悩み・プレッシャー」のトップ項目「仕事」について言えば、現在も問題を抱えてはいるが、多くは何らかの形で問題は解決されてきている。
その解決の道筋には、多くの教訓と知恵が含まれていると推測できるので、その有効事例を集積すれば会員の参考になると思われる。
4.「仕事」、「自分自身」、「子ども」の各項目について具体的なストレス項目を分析したものが下掲のグラフである。




それぞれどのような事が「悩み・プレッシャー」になっているかがよくわかる。「仕事」の面では「職場での人間関係」や「会社の現状や将来についての不安」が大きな要素を占める。また、こころと身体の問題を「自分自身の悩み」として抱えていることも多い。さらに、子どもがある程度成長し、進路や就職の問題がでてくる頃が父親としての悩み事のピーク時となっている。
5.「家計・経済」、「親・兄弟姉妹」、「夫婦間」の問題はサンプル数は少ないが下に掲げるグラフのとおり。
「生活設計」の悩みは、家計の苦しさと老年に至っての生活の安定をいかに得ていくかの問題、また、高齢化に伴う扶養問題が大きな比重を占める。夫婦の問題では永遠の問題でもある「性格・価値観の相違」で男性会員も悩みを抱えていることが読みとれる。 
         (以下次号)





投稿コーナー

 「孝」の大切さ
  近畿地区 細見周造 


  最近は親子関係で悲惨な事件が続いています。その一つには「孝」ということばが失われてきているように思われます。親孝行、あるいは祖先を敬う気持ち、そういう考え自体が希薄になっているように思います。
 私の家には神棚も仏壇もなく、日頃より手を合わせて拝むことは少ないのですが、小学校1年生の娘は祖母宅に行くと、誰から言われたこともないのに先ず初めに祖父の仏壇の前で、チンをならして拝んでおります。親の私のほうが逆に見習うべき行為だとうれしく思っております。
 永池会長もおっしゃっていますように良い性格つまり優れた道徳心を備えていれば、たとえ勉強が出来なくても世の中をうまく乗り越えていけると思います。
 私も寝る前に呼吸法を実践してその日あった出来事を思い出し、お会いした様々な方々に感謝をし、家族に感謝をし、そして親の顔を思い浮かべながら寝床につくようにしていきたいと思います。


人生は二百メートル競走
 北陸地区 長野ブロック 太田孝裕 

先日の中国出張時、人生の事を考え、思い付いたのが二百メートル競走です。人生百年=二百メートル。学生時代迄が四十メートル。会社の定年迄が百メートル。出世する人が百メートルでは勝者。その中には人を蹴落としてまでもトップに立とうとする人もいて、必ずしも人格者が出世する社会ではないと感じています。
 しかしながら、百メートル迄よりも百メートルから二百メートルの方が肝心で、定年後の人生に活きてくるのが「人間的な豊かさ」ではないかと思い、スコーレでの学びの重要性を再認識しました。私は子供の頃は神童と呼ばれ、大学・会社もまずまず、スタートダッシュではトップでしたが、四十四才になっても無役職。一気にトップは無理でもそろそろ四〜五位ぐらいまで挽回しないと二百メートルでのトップは望み薄。百メートル以降はスコーレのお陰で自信が有ります。百メートル以降を気持ちよく走り切る為にも、もう一度スパートを掛けようと思っています。

■ 人生学講座
連 載
「病」から教えられる B


京浜地区城南ブロックリーダー 岡本一誠


第3章  沈潜の気分

沈潜の時


 人には昂揚している期間と沈潜している期間がある。これらの時期を「病」の時期とはいいにくいが、人生の中で大きな影響を与えている要素といえる。漱石の頃は神経衰弱、私が若い頃はノイローゼ、その後、心身症、鬱症等々時代と共に沈潜した気分を言い表す言葉は移り変わるが、同じことを言っているようだ。私には自分の昂揚した気分の時期がいつであったかはわからないが、沈潜した気分の時代は明確にわかる。
 最初は、この文章の第1回にもふれた養父が亡くなった後の高等学校時代である。今後への不安、栄養状態の悪化等で結核となった。結核になったことで一旦は解放されたが、療養の2年間に神経症のような状況になった。その原因は病室での閉塞感と暇を持て余した事による。病室の窓や扉の隙間が気になって仕方ない。どうしても何度も閉めにいったり、閉まっていることを確認しないと落ち着かない。一種の強迫神経症である。この症状は、結核完治後も暫く続き、家中の扉を閉めて回っていたので、家人は奇異に思っていたようだ。
 2回目は先号既述の目を患ったときである。原因は、仕事と組合の掛け持ちによる過労と心労で、外転神経麻痺となった。結果、日々さらに疲れを増した。外から事務所に戻った時に、その事務所全体が薄暗く見え、且つ私がまともに営業をしているのか、何かミスをしているのではないかと皆が噂をしているにちがいないという思いに駆られる日々を過ごした。
 3回目は婚約時代、デートに忙しく且つ仕事も組合もやっていた時期である。あまりにくたびれるので検診してもらったら甲状腺に原因があるといわれた。精密検査を予約、検査の日を待っている内に本当に甲状腺機能昂進の症状がでてきた。結果は陰性であったが、ある病気をいわれるとその病気のような症状がでるものなのだ。この時も自信を失いもう少しで自分から婚約破棄を言い出すところであった。
 4回目は、単身赴任中の大阪で人間関係に行き詰まった。やはり単身赴任である上司と衝突、口もきかない仲に至った。この喧嘩は、二人の同時の配転で会社としては解決した。単身赴任の重圧が私には耐えられなかったのだと思う。
 これらの経験から、「人にはその人の耐えられる限界(うつわ)がある。そして私の場合、過労・心労・無聊(ぶりょう=退屈なこと=暇)が病気や病気まがいの状況をもたらす悪玉である。」ことがわかった。悪玉の「過労・心労」を作らないように心がけるには、早朝会場で流れる言葉「今日の苦しみは今日にて足れりと…。明日にすべてをゆだね…。」の心境に早く達することと、経験を積み重ね耐性を作ることである。そのようにして、その人の限界(うつわ)は広がる。その証拠に、2回目の単身赴任の時に私は快適に生活をした。さらに「暇」を作らない努力もまた必要である。適度に働き続けることだと思う。



周囲に助けられる

 沈潜した気分からの脱出には自分の脱出したいという意思もさることながら、回りの人たちの気配りが大いにあったことに思い当たる。最初の時は従兄弟が主治医であったので、色々と便宜を図ってくれた。また、病室での療養より家での療養が良かろうとのことで母の姉が一室を提供してくれ、食費も負担してくれて療養を助けてくれた。さらに、私の戸締まりの奇妙な習慣を誰もが気が付いてはいたが黙ってただ見ていてくれた。次に目を患ったときは、大学・会社を通じての同期の友人が、良く声をかけてくれ、山本周五郎の「長い坂」等の本を薦めてくれた。私は片目で読んだ「長い坂」にどれだけ勇気付けられたかわからない。
 擬似甲状腺疾患の時はかみさんに助けられた。婚約中の彼女は病院にまで付き添ってくれ、勇気づけてくれた。これは心強く且つ有り難かった。大阪での単身赴任の折りはかみさんと息子達に救われた。無理を言って、かみさんと三男坊に大阪に来てもらい共に過ごした。どれだけ気分が楽になったことであろうか。私の沈潜の時期の脱出には周囲の人々の暖かい気配りと、努力があったと感謝しなければならない。
「暇」を作らず、「過労・心労」に陥らないよう、心してこれからを生きようと思う。 (完)


■ 事務局便り

新年度から『ミドル昼食懇談会』開始
  4月から開催の上期ミドル(54才以下)研修後、自由参加形式の「昼食懇談会」を毎月定期的に実施することになりました。昼食を取りながら会員の自由な意見交換を通し交流を図るもので、事前に「情報交換メモ」を提出の場合には、特に指定テーマについて意見交換ができます。新しい企画です、奮ってご参加をお願いします。

18年度「宿泊研修兼マスターズ総会」
6月10日(土)、11日(日)に開催

 
 今年の宿泊研修兼総会は6月10日(土)、11日(日)の日程で箱根湯本ホテルで行います。
 昨年は53名の参加を得ましたが今年は70名を目指しております。研修、会長講話、トレーニング、更には懇親会等を通して相互啓発と楽しい交流を図りましょう。全国のマスターズ会員が一同に会する数少ない機会です。多数の皆様のご参加よろしくお願い致します。


マスターズ・ブログを開設しました

  Webmaster 藤田和弘

マスターズHPに関するアンケート結果を元に検討した結果、patioと併用してマスターズの専用ブログを開設する運びとなりました。「会長ご講話」「生きがい講座の内容」などの内容をブログ形式で掲載することが可能です。画像などと併用しながら、より具体的で内容の濃いホットな情報をお知らせできると思います。お聞きになりました感想はもちろん、関連内容について、皆様よりコメントをお待ちしております。ブログをお持ちでしたら、トラックバックも大歓迎!です。
ブログのURLは、 http://www.schole-masters.org/blog です。ぜひ、アクセスしてみてください。


青朱白玄・春夏秋冬

 やはり女優は美しい。過日、女優の紺野美沙子さんのお話を聞く機会があった。彼女は「国連開発計画(UNDP)」の親善大使である。ちなみに、黒柳徹子さんは「国連児童基金(UNICEF)」の親善大使である。UNDPの親善大使は他に、サッカーのジダン氏とロナルド氏、ノルウェー国皇太子、アフリカの自然環境保護に取り組んでいる女性作家の4人がいる。彼女は主婦業をこなしつつ女優という仕事が続けられるのは、TV・映画・芝居を見た人々から「感動した」、「元気が出た」との声を聞いたり、色々な役柄を演じて人生の「擬似体験」が出来るからなのだそうだ。スコーレ・マスターズの研修効果も正に感動の連続、各世代の人々との交流を通して擬似体験が出来るところにある。彼女は「国際貢献」ではなく、「国際連帯」という気持ちで途上国への支援の旗振り役を行っているのだそうだ。大使の報酬は年間1ドルでまだ2ドルしか貯まっていないそうだ。やはり女優は美しい。 (桑折能彦)


■ 編集後記
 地球温暖化により世界中の気温が上昇していくと言われていますが、やはり冬になれば寒くなり冷たい風が吹き雪が降る。地球温暖化は進んでいるのでしょうか。寒い冬がありがたいと思いました。 (今野洋一)


「当面の行事予定」 マスターズ事務局

@4月〜9月
 18年上期マスターズ研修(本部研修室)
A5月中旬
 マスターズ通信第14号発行(広報委員会)
B5月21(土)〜22日(日)
 スコーレ定時総会(伊東・聚楽)
C6月10(土)〜11日(日)
 マスターズ定時総会(箱根湯本ホテル)
D6月23日(金)
 スコーレ懇親の集い(ヒルトン東京)
E7月22日(土)
 首都圏「生きがい講座」(場所未定)





編 集:社団法人 スコーレ家庭教育振興協会
    スコーレ・マスターズ 広報委員会
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