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★★スコーレ・マスターズ通信★★ 第17号
平成18年10月15日

■ 滝 行 開 催 
     
 9月16日〜18日の3日間、木曽御嶽山3合目の新滝で、恒例の滝行が行なわれた。年々参加希望者が増えていますが、引率・指導面から人数を限定、今回は 14名が参加。新滝の水は、真夏でも10℃以下、しかも遮る物が無く直下するので、滝に打たれる衝撃は大きく、滝に入っている時間は僅かですが、相当の荒行です。永池会長は、ご自身の滝行20周年を期に入滝されないので、今回は総監督として、我々メンバーを温かくご指導いただいた。
 初参加は3人でしたが、夫々期中3回の入滝にものおじせずに入いることができ、先輩達をビックリさせました。心身開発トレーニングで鍛えた呼吸法が役に立ったようです。全員、滝に打たれた後の心地良い疲労感と爽快感を味わうことが出来ました。滝の刺激を受けたせいか、皆さん食欲が増し、昼も夜も御飯を何杯もお代わり、 天候も台風13号がうまくそれ、晴間が見えるほどでした。まさに、非日常の世界に浸り、「自らの生命と対話する」ことが体感出来ました。いつも細やかに気配りしていただく、宿泊先「大又山荘」のご夫妻に御礼を述べ、全員無事帰宅いたしました。(小俣富雄)





■ マスターズ下期研修参加者募集

 下期のマスターズ研修は右記日程と内容で町田の本部で開催されます。ミドル・シニア両コースとも10時から12時半までです。
(1)ミドルコースの前半は人生学講座として小俣副代表幹事が講師となって会長の著書「生き方の基本」の朗読と解説。特別講師の会長から講話をいただき、参加者から質問・感想を受けます。後半は心身開発トレーニングとして複式呼吸体得のための発声練習を行います。
(2)シニアコースの前半は人生学講座として、会員の中から毎月講師を選び、その月のテーマについて講義をし、参加の皆さんのご意見・感想をいただきます。また、会長のご意見・講話をいただきます。10月〜3月の講義のテーマは以下を予定。
@「父親の役割を考える」
A「少年犯罪白書から見た家庭問題」
B「人間関係論(私のコ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 術)」
C「スコーレから学ぶ人生の生き方」
D「家裁判決が語る家庭の危機管理」。
後半は山下相談役の指導によるリラクゼーション禅を行います。
 開催要項は、こちらを参照してください。




 参加費はスコーレ会員は6ヶ月分5千円、スコーレ会員でない方は会員登録のうえ、参加いただくこととなります。また、体験受講を受け付けていますので、お近くのスコーレ会員にご相談ください。


■ 日本家庭教育学会第21回大会

 8月19日(土)文部科学省、東京都教育委員会の後援で東京・千代田区で開催された日本家庭教育学会第21回大会が約200人の参加を得て開催された。
 大会の大きなテーマは子どもの@引きこもりA不登校B障害のある子ども等の現状にどう対応し、改善していくかであった。スコーレ会員も、研究発表には鈴木正子さんが登壇。パネルディスカッションには菊地敬子さんがパネラーとして参加。マスターズのメンバーも8名が参加し傾聴した。
 パネルディスカッションの基調講演では評論家芹沢俊介氏が最近の事件(奈良の高校生放火事件・伊豆の国市の女子校生タリウム事件)を例にとり、「いい子のパラドックス」と「居るのに居ない状況」の話をされた。すなわち、いい子を続けることでエネルギーを使い果たしてしまうという現象と家庭内のコミュニケーション不在をわかりやすく説明された。私たちの身近なところによくある話であり、多くの人に聞いていただきたい話であった。(岡本一誠)



投稿コーナー
  初めての滝行体験  
     町田・相模ブロック  大槻信幸

  滝壷の裏へ回り水しぶきを浴びながら、私は次の自分の番を待っていました。しかしそれだけで息があがり、更に大変寒かったので精神は限界を超えていました。介添えしていただいた川上先生に滝へ入るよう言われましたが、情けなくも一旦滝に背を向け気合いを入れ直し、死を覚悟するつもりで滝壷に入りました。瞬間、豪雨のような「ザァー」という音と水が全身を打ちつける「バチバチ」という音しか感じられず、あっぷあっぷと呼吸するのが精一杯で体も力んでしまいました。川上先生が私の肩を叩きながら、「吐いて、吐いて、力を抜いて!」と耳元で叫んでくださったので、我に返り肩を下げ、腹式呼吸に努めました。いつしか気分が楽になり、時間的な感覚は失せていました。再び肩を叩かれ滝から出ると大変温かい拍手を頂き、仲間達からの祝福と忘れかけていた深い達成感で感銘しました。翌日は滝の中で空手の型演舞を試すことができ、私の中でスコーレと空手が融合した感を覚え、更なる喜びを実感しました。
 私は空手を通して子供達に体験の大切さを唱えています。近頃は私自身感動体験が乏しくマンネリの感もあったのですが、滝行のおかげで新たな気持ちを抱くことができました。 永池会長はじめ、安全に先導してくださった諸先輩方、そして座禅で複式呼吸を指導してくださった 山下先生にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。






  「成功」の反対は?
    長野ブロック  川島伊佐雄


 それは、仕事のことで友人と電話で会話している時でした。「ちょっとクイズを出していい?」「うん、いいよ!」そんなことから彼のクイズが始まりました。「明るいの反対は?…暗い!」、「早いの反対は?…遅い!」、「暑いの反対は?…寒い!」、「じゃあ成功の反対は?…失敗!」。すると彼は「ビィ−、ハズレ!」リズムよく流れていた問答を突然遮られ、私は「えっ、何?」「…挫折!?」、彼はちょっと意地悪っぽく「違いま〜す。宿題にするから、よく考えてみて!明日また電話するから…」と会話は終わりました。
 それから半日、仕事をしながら深く考えれば考えるほど、明確な答えが見つかりません。その日はちょうど、家族の皆が食卓についている夕食時に帰宅することができました。そこで、この一連のクイズを家族に向け問いかけてみようと閃きました。やはり妻は「失敗!」と即答。すると、小5の長男が「また、やればいいじゃん!」…私は鳥肌が立ちました。「失敗は成功の元」とは言うものの「失敗も成功の同一線上にあるのだ」と言うことも気づかせてもらったのです。翌朝、「成功の反対は何もしないこと」、そして「失敗の反対も何もしないこと」を彼に伝え、失敗を恐れずチャレンジする勇気と、何事も決してあきらめない根気について楽しく語り合うことができました。「学びの楽しさ」「成長への勇気」を自然に導いてくれる愉快な友人、温かい家庭、純真な子供、挑戦できる仕事、そして日々の学びの大切さを説くスコ―レと恵まれた環境に常に支えられ、心から感謝です。



私は幸せです
   神奈川ブロック  近藤浩二

 幸せにする。幸せになる。幸せだった。
何が基準(ものさし)でしょう。誰も数値化できないでしょう。
 私は子供に幸せを感じてほしい。小さな幸せも見落とすことない感受性を持ってほしいのです。子供にはささいな事にも感謝する心を持ってほしいと願い、夫婦で子供を育ててまいりました。
私たち夫婦が子供に躾たのは、「おはよう。行って来ます・いってらっしゃい。ただいま・お帰りなさい。おやすみなさい。……」の挨拶。出掛ける時・就寝前の握手、そしてお礼の言葉「ありがとう。」息子(高2)はちょっとしたものにも「ありがとう」と言ってくれます。娘(小4)の「ありがとう」は素直な感謝がこもっています。愛する二人の子供は他人と比較することもなく、ごく自然に「ありがとう」の言葉を発しています。
 私は子供を幸せには出来ないかもしれないけど、幸せを感じる人に育ってほしいと思う。他人が気づかないなんでもない事にでも、感謝の気持ちから幸せを感じる人になることを願う。
 私は毎朝玄関でこんな子供と妻に握手をして見送られながら会社へ向かいます。私は毎朝、幸せです。


■ 人生学講座
連 載
人生の美学を子どもの心に育てる B


中国地区 横田将良


不登校の友達


 「友あり、遠方より来る」と言いますが、ある朝「今日は友人と宮島へ行く」と孫娘が言い出しました。この近くに友達がいるとは考えられないので「誰?」と聞くと新潟から遊びに来るのだと言います。もうすぐ広島駅に到着するというので、急遽、夫婦で最寄のJR駅まで迎えに行きました。遠路ようこその思いを込めて出迎えましたが、チラッと私の顔を見ただけで挨拶をしません。「宮島口まで車で送ってあげよう」と言うと首を横に振ってすげなく断られてしまいました。
 後から聞くところによると廿日市まで観光がてら歩いて行って、私に貰った小遣いで欲しくてたまらなかったCD(中古)を買ったようで「沢山買えた」と喜んでいました。「宮島は有名なのでとにかく行くだけ行って見た」と意外に早い時間に帰宅したのでホッと安堵したものでした。そのような店を何処で知ったのだろうと思いましたが、新聞広告やチラシを毎朝丹念に見ていたようで、前もって調べておいたのだろうと妙なところで感心したものでした。夕食を共にする頃にはうちとけて話がはずんできて、「仲良しなんだね」と言うと「彼女も不登校している仲間だよ。けれど頭が良い子なんだ」とケロリとした表情で紹介してくれました。
 「おばちゃんのご飯美味しかったよ。おばちゃんっていつもにこにこしてるね。優しいね。うちのばあさんなんか私の顔を見ると文句ばっかり、殺してやりたい」には只々驚かされました。


アルバイト事件

 チラシといえばアルバイト事件がありました。その時ばかりは家内が「おじいちゃんに相談しなさい」と言ったようで、平素自分の方から私に面と向かって言ったことのない孫娘が、時給750円の短期アルバイト募集の広告を持って来てどうしても行きたいと言います。「中学生はダメだよ」と言うと、「年をごまかして行く。私は体格がいいから誰も中学生とは思わない」と言い張ります。
 さすがに私もこの時ばかりは一歩も譲りませんでした。私をおとなしいおじいちゃん、やかましいことは言わない優しいおじいちゃんと思っていたようで、それだけに私の妥協しない返事に不機嫌な顔をしていましたが、反抗できなかったようです、それがきっかけでお小遣いの話が出来たことも良かったと思います。


感恩報謝の気持ち

 8月6日、午前5時、まだ明けやらぬ広島の町を平和を祈って慰霊碑参拝を済ませました。千羽鶴を原爆の子の像に吊るしていると、中国新聞の記者からインタビューを受け、家内が奇しくもこの子と同年代の時、原爆の洗礼を受けたという重い体験を、てきぱきと記者の質問に返答している姿を孫娘は感心して見ていました。
 片時も携帯が手放せない彼女がその朝始めて手にしていないので「携帯はどうしたの」と聞く家内に「携帯を持つ雰囲気の場ではないと思ったから持って来なかった」と答えていました。これだけの良識と分別があるのにこの子の不登校の原因は何だったろうかと思ったものです。
 今夏のお墓参りは両親の墓をはじめ、義兄や親戚の新盆も重なって沢山の墓参りをしました。
我が家の近くにある両親のお墓は一週間に一度くらいのペースで墓掃除をしていましたが、お盆には尚一層、一所懸命に掃除を手伝い神妙な顔をして手を合わせていました。何をお祈りしたのか聞くと「私は何処のお墓へ行ってもお願いごとばかりしていて悪いことした。テレビで細木数子さんが“お墓参りはお願いごとをしてはいけない、感恩報謝だ”と言われた」と言います。こういうことはきちんと受けとめているのだなと思いました。 このお墓を建てた時から6年半、毎週日曜日には一度も欠かさずお墓参りを続けたこと、すると思いがけずおじいちゃんの生まれ故郷に帰れる様になったこと、このお墓は家の真正面にあることなどがそれとなく話題になりました。 そして思いがけなく山の木がお金になったこと、これこそ先祖の余徳「積善の家に余慶あり」なのよと、家内が話すと「へーおじいちゃんの山なの、山が自分のものなの」と驚いた顔が印象に残りました。 
(つづく)


■ 事務局便り

Webmasterより

   藤田和弘
 第16号で紹介したマスターズ生きがい講座『心身の健康と生活リズム』(講師:税所弘氏)は大変盛況でした。この講演内容が、マスターズホームページで聴講可能です(パスワードが必要です。メールニュースをご覧ください)。 また、昨年末のブログに引き続き、エッセイ集を立ち上げ、更に充実度を増しました。これは、マスターズ通信人生学講座や、スコーレ誌へのマスターズ・メンバーの投稿原稿を中心としたものです。是非アクセスしてみてください。エッセイ集のアドレスは下記です。
http://www.schole-masters.org/essay/

会 員 動 向
  
大島 尚
 平成18年度も上期が終了し、10月から下期に移ります。下期は首都圏マスターズ研修のシニアコースの講師を「講師養成講座」の受講者が交代で担当します。マスターズ研修も次第に一人立ちしてきました。平成18年上期が終了した時点で、会員数は256名になりました。(平成17年度末 242名)
 最近はマスターズ研修を体験したいということで見えられ、それがマスターズ入会に結びつくケースも増えています。親子の絆が薄れてきているのではと言われるこの頃ですが、一人でも多くの男性がマスターズで学習されるのを願ってやみません。


青朱白玄・春夏秋冬

 食育に関する法制化について議論がなされていた頃、ある新聞でそこまで法律で決めることなのか、この先横断歩道を渡るときも一斉に右足から歩けと法律で決められるのではないかと心配していた。しかし、生きるうえでの基本の一つである「食」について様々な問題が生じていることも事実であり、それこそ本当に心配しなければならない事態にあるのではないか。
 身近な例を見ても、朝食の欠食、個食、孤食など食生活や食習慣の乱れが目につくようなっている。さらに、ダイエットとか食品そのものについて首を傾げたくなるような情報が氾濫し、残念ながらそれらの情報に惑わされがちである。特に、将来を担う子供、ヤング層にとって健全な心身が形成されていくうえで受ける影響は大きく、子育てと同様、家庭の中で「食」について真剣に考える必要がある。ある教育現場の方から「子供は言うようにはしない。するようにする」という話をうかがったことがある。まず大人が健全な食生活を実践することが肝要ではないか。これからは、平均寿命を伸ばすことより健康寿命を伸ばすことに関心を持ちたい。(梶田健二)


■ 編集後記
  今年の滝行には3名の初参加者がいましたが、全員が事故もなく楽しく日程を終えて有意義なものとなりました。永池会長が滝行を始めて20周年となる今年、これまでの経験・知識の蓄積があればこそ50mの落差がある滝に対して参加者全員が生身の体で立ち向かう事が出来るのだと改めて永池会長はじめ先達の皆様方に深く感謝した次第です。
 マスターズの活動もこの滝行の様に永池会長の御指導に基づき多くの先輩・講師の方々のご努力があってこそ成り立っているのだと感謝すると共に日々の地道な活動こそがマスターズを構築しているのだと再認識しています。 (今野洋一)



「当面の行事予定」 マスターズ事務局

@毎月初旬      メールニュース<NO26〜>発行  (IT委員会)
A10月〜19年3月  下期マスターズ研修開催中     (本部研修室)
B11月17日       第6回川上杯懇親ゴルフ会(中津川カントリークラブ)
C12月16日      首都圏地区交流会(町田エルシー)
D1月20日(予定)  マスターズ通信第18号発行  (広報委員会)

懇親コ ゙ ル フ 会への参加者を募集中です。ご希望の方は事務局までにご連絡下さい。




編 集:社団法人 スコーレ家庭教育振興協会
    スコーレ・マスターズ 広報委員会
発行人:小俣富雄
〒194-0013 東京都町田市原町田4-7-12 
TEL : 042-728-7948
http://www.schole-masters.org