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★★スコーレ・マスターズ通信★★ 第21号
平成19年7月30日

■ 平成19年度 スコーレ・マスターズ 会員総会・宿泊研修開催
 
全国から57名、初参加12名
6月16・17日、マスターズ会員総会&宿泊研修が箱根湯本ホテルで開催され、全国から過去最高の57名が参加しました。特に今回は、12名もの初参加者があり、新鮮な気分と適度な緊張感のもと、オリエンテーションと会長の挨拶・講話があり、各行事がスタートしました。




会 長 挨 拶

日本の父親はいかにあるべきか。かつては食扶ちを稼ぐためにただただ働いてきた。その姿を家族は見てきた。しかし現在はそうではない。
 日本には世界に類を見ない長生きの企業がある。千年以上の歴史のある企業や100年以上の歴史を持つ企業が10万社もあるとのこと。企業を受け継ぎ、ニーズに応えてきた人たちがいる。そこにはそれを支えた社長、社員がいる。さらにその人たちを支えた家族がいる。そこにしっかりした家庭があったからこそと言える。日本もまだまだ見捨てたものではない。その基盤に夫々の身の丈にあった生活ということがあったのではないかと思う。
 最澄に「一隅を照らす、これ国の宝なり」という言葉がある。夫々の持ち場で私たち夫々がその役割を果たすことが大切であると思う。


心身開発トレーニング
研修初日は、心身開発トレーニング、部屋別研修と懇親会を開催。心身開発トレーニングでは山下相談役の指導のもとリラクゼーション禅と小川顧問指導のボイストレーニングで腹式呼吸を鍛錬。初参加者も戸惑いながら深い呼吸を体得することができました。


部屋別研修
 心身開発トレーニングの後、初の試みとして夕食・懇親会までの時間を利用して部屋別研修を開催しました。各室独自に自己紹介、近況報告、意見交換等、胸襟を開き、有意義な時間を過ごしました。

懇親会
 心身開発トレーニング後の部屋別研修と入浴で、みなさんうちとけた雰囲気と爽快な気分で懇親会に集合。歓談と余興に楽しいひと時を過ごし、初参加者の方々の「マスターズ入会動機」スピーチは、皆さん一様に“奥様からのアプローチ”ばかり。「あなたもやっぱり」との声が飛び交っていました。



早朝研修
 翌日は、厳粛な雰囲気の中で、早朝研修が5時から開会。柳町さん(八王子・多摩)、細見さん(近畿)、大槻さん(中央)、近藤さん(北陸)の4人の演壇発表と永池会長の講話、さらに広間座談と続きました。



分 科 会
翌日、会員総会後分科会を開催。まず始めに、金井事務局長が、昨年の分科会で討議の後、募集され、まとめられた事例集「危機管理・対応事例集」についての案内を行い、今年度の討議項目(1)「家計・経済」、(2)「親と兄弟姉妹と近所付き合い」について解説し、分科会討議に入りました。
 分科会は7名〜11名の5班で討議。運営は各班に任され、@各自の体験、A解決に至る道筋、B解決に役立ったこと、Cこうすればよかったこと、などが討議されました。
1時間余りの討議の後、各班毎に討議内容を発表。発表者は下記の各氏。
1班:塚田雅俊、2班:関 直樹、3班:田中靖彦、4班:太田孝裕、5班:石丸聡志。
 発表後、山下勝也相談役から講評を兼ねた下記の内容の総括がありました。
@皆さんが背中に大きなものを背負っていることがよくわかる。しかし、そんなに重たいものをいつまでも、いくらでも背負いきれるものではない。常に将来への夢を持ち続けることが大切と思う。
A95歳の母が60代の時に毎日1万歩を歩くことを始めた。そして今日かくしゃくとしている。私がお勧めしている座禅はメンタル面での良いことと考えているが、身体面ではやはり身体を動かすことも大切と思い、今になってジム通いを始めた。いくつになっても明日への希望を抱き、工夫をしていくことが大切と考える。
B周りの人、特に若い人たちに夢・人生モデルを提示できるような生き方がしたい。
 最後に永池会長が2日間を総括して下記の閉会の辞を述べられました。
@危機管理と自己実現は表裏の関係である。危機管理が出来てこそ自己実現がある。
A人生のトラブルを解いていくには、問題の本質(急所)をすばやく見つけること、そして解決への道はそれぞれ違う。スコーレはその道への地図を勉強をする所である。
B資料として提示している「危機管理・対応事例集」は一つのヒントであり、自分には自分の道があると考える。
C人間には蓄えを持つことも必要な要素であるが、「こころの蓄え」こそ大切である。天に貯金する心がけこそが道を拓く。そのことが「苦」と上手につきあう方法をもたらし、人生の飛躍へと繋がる。



テキスト「危機管理・対応事例集」
発行案内(販価500円)
副題は、『マスターズ会員の対応事例に学ぶ「働き方」と「自己管理」』となっています。2年前に永池会長の指導で発足した危機管理委員会が、昨年総会時に会員へ要請して収集した事例をまとめたものです。事案ごとに解決へ至る道と、解決のヒントを会長の著書から引用して54事例を紹介したものです。98ページのテキスト冊子になっています。
 マスターズとして、 以前から会員間の教材として完成を目指して取組んできたものですが、今回その第1号が出来ました。購入ご希望の方はマスターズ事務所(042-728-7948)へ申込んでください。 


スコーレ・マスターズ
第6回会員総会報告


第6回会員総会は2日目午前9時から行われ、三橋代表幹事が議長に就き、早速審議に入り、第1号議案・平成18年度事業報告及び収支決算承認の件について小俣副代表幹事から詳細な説明があった。事業報告で特筆すべきこととして、@期末会員数が300名に到達したこと、A改訂版「入会案内」の発行やテキスト「危機管理・対応事例集」の発行など、6つの専門委員会の活動が実践的な成果をあげたこと、Bマスターズ会員のスコーレ本体活動への積極的参加が見られたこと等があった。また第2号議案では、平成19年度の事業計画及び収支予算案が審議されたが、事業計画では、平成20年3月末会員数を400名とする意欲的な計画が提案された。事業報告及び収支決算については川田会計監事より監査報告があり、いずれの議案も原案通り承認され、総会は無事終了した。

宿泊研修の感想アンケート結果
2日間の行事について参加の皆さんからアンケートをいただきました。紙面の都合で下記に略記します。皆さんの貴重なご意見をもとに、来年への改善につなげます。ご協力感謝します。
 ■全体を通して貴重な体験ができ、有意義な  研修だった。
 ■特に普段仕事では味わえないトレーニング  で呼吸法を体験したり、時間は少なかった  が危機管理の分科会も参考になった。
 ■男性だけの早朝研修は厳粛で良かった。
 ■温泉や懇親会は会員間の交流の輪を広げた。

投稿コーナー

会員総会及び宿泊研修会に参加して
   中央地区  白石 英樹

昨年、マスターズにご縁をいただき、今回、初めて宿泊研修に参加いたしましたが、研修中は新鮮な驚きの連続だったように思います。
 まず、到着してすぐ、危機管理・対応事例集をいただきました。それは先輩諸氏の貴重な体験に解説が加えられるとともに永池会長のご著書からの引用も付されたもので、その内容に感動しました。また、私は普段、3〜4人しかいない小さな事務所で働いているからだと思いますが、大人数での心身開発トレーニングでは、その迫力と厳粛さに驚かされ、逆に懇親会から始まる夜の時間では、その和やかな雰囲気を楽しませていただきました。翌日の早朝研修はスーツ姿の男だけ。演壇も、唱和も、広間座談も男だけという年に1回だけの貴重な体験に身を引き締め、その後の分科会では、危機に対処する心構えのヒントをいただきました。分科会は危機管理がテーマだったわけですが、総括における永池会長のご講話の中に「優れたイマジネーションを磨く」「心を蓄える」というお話がございました。とても印象に残っており、密かに研修の土産のつもりで心に留め置いております。
 この研修に参加する中で、スコーレにおける学習は一朝一夕になるものではなく、長い年月をかけた生き方の学習なのだということを改めて実感いたしました。箱根で過ごした2日間を通じ、清々しい緊張感を味わい、心身をリフレッシュさせるとともに、研修の持つ厳粛な雰囲気や、参加された方々のお話に触れることで、自分を謙虚に見つめ直す機会をいただいたと感じています。どうもありがとうございました。


宿泊研修に2回目の参加をして
   八王子・多摩地区  関 直樹


今回で2回目の参加となる宿泊研修は、天気に恵まれ清々しい気持ちで、2日間を過ごすことが出来ました。懇親会では各支部の色々な方々と話をする機会に恵まれ、昨年よりさらに友好の輪を広げることが出来ました。
 また翌朝の早朝研修後の広間座談では、永池会長より、物事に対して一歩踏み出す秘訣は「完璧を求め過ぎないこと。60〜70%出来て良しとする。物事に頓挫した時は、そこで一旦打ち切り、リセットして新しい気持ちで取り組みなさい。」とのお言葉を頂き、研修前に仕事に行き詰まっていた私にとっては、何よりの救いとなりました。
 分科会では男性の危機管理として、家族関係や家計・経済について討論結果を発表する機会を与えてもらい、40代の自分の置かれている状況とこれから遭遇するであろう諸問題に対して、先輩達からの貴重な助言を拝聴しながら、自分なりに意見をまとめる事が出来ました。
 さて、私は研修に参加する2週間前、富士山の麓から五合目までを登る自転車レースに参加致しました。初めて参加した時は、自分でも「何と無謀なレースに参加してしまったのだろう」と思いながら走っていましたが、2回目となる今回は、スコーレの早朝テープを聞く前に、一朝一朝、家の玄関前で自転車ローラを廻し続けたお陰で、今までで一番楽に登ることが出来ました。これも、日頃から実践と継続の大切さをスコーレの学習を通して感じていたからだと思います。
 最後にこの宿泊研修に参加するにあたり、快く「行ってらっしゃい」と送り出してくれた家族に感謝をしたいと思います。


世俗を離れて
        京滋地区  田中 靖彦


 3年前に独立し、妻より6月は1年に1回勉強の月として勧められ、今年も参加させて頂きました。何度か参加すると懐かしい顔が浮かび、少ない時間内に全てを話さなくとも、ポイント、ポイントで分り合える何かを感じ、男同士というのはいいなと感じた時間でした。行き帰りの新幹線の窓からの富士山を眺め、「今までゆっくりと見た事がなかった」とも思い、「また明日から一歩づつ前向きに」と心に決める時間でした。
 「世俗を離れ、人として戻り、世俗に帰る。」私はこれを望んでいると思いますし、このバランスが重要と特に感じるこの頃です。来年もまた、皆様と殻を脱いで集う事を楽しみにしております。


地方選挙後の自分を見詰め直す良い機会に
     中国地区  能勢 泰人


昨年、生涯学習と家庭教育、子育てを一緒に考えるスコーレという会を紹介戴き、これは子育てに悩んでいる我が家に持ってこい!と妻に是非とも行くように薦めました。そこは非常に実践的な子どもへの接し方や子育ての心構え、そして家庭とは何かを学ぶ場でした。
 妻が家庭のあり方を学ぶ中で「マスターズ」の存在を知り、4月に地方選挙に出馬、落選中の私にとっては自分を見詰めなおす良い機会だから!といって是非行ってくる様にと箱根に送り出してくれました。
 この日は大変良い天気で五合目まで残雪を残した富士山が大変眩しく、箱根は観光客で賑わっていました。緊張の面持ちで会場に向かう中、他にもネクタイを着けた方々が黙々と集まっている姿に妙な安心感を覚えました。
 永池会長の「身の丈の生活の実践」というお話が印象に残った挨拶に続き、研修では「禅」による精神力の涵養。「発声練習」では自分の限界を超える緊張と発散を体験しました。そして懇親会!永池会長の「よく学び、よく遊ぶ。人生には緊張とゆとりが必要です。大いに飲んで語らいましょう!」と言う挨拶ですっかりマスターズに溶け込め、引き続く二次会を通して全国から集まった方々と示唆に富んだ様々な経験や思いを語り合うことができました。
 翌日の総会に続く分科会では人生を歩んでいく過程での危機管理を班毎に討議しました。多くの意見が出されましたが、総括で「人生を明るく前向きに歩む上での危機管理を!」というまとめに感心した次第でした。
 あっという間の2日間でした。マスターズの面々は人生を前向きに捉える明るさの持ち主ばかりで、人の暖かさにふれる大変良い機会を得ることができました。
 社会基盤の基礎は家庭であることを念頭に、子どもを持つ親として、また、家庭を支える柱としてしっかり前を見詰めて歩んで行くきっかけを掴む事ができました。ありがとうございました。


■ 編集後記
 中越地方で地震がまた発生した。天災は忘れたころにやってくるというが、地震は何時どこで起きるかわからないことを思い知らされた。日ごろ忘れている備えを今一度真剣に見直そう。被災された方々には心からお見舞いを申し上げます。(栗山)




編 集:社団法人 スコーレ家庭教育振興協会
    スコーレ・マスターズ 広報委員会
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