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★★スコーレ・マスターズ通信★★ 第24号
平成20年1月25日

■ 合同研修と首都圏地区交流会
 12月15日(土)年一回のシニア・ミドルの合同研修が行われ、約40名が受講しました。会長から、「いい出会いを持てる自分を造り出していくこと」、「人生における最高の財産は人」であることを講話いただいた後、リラクゼーション禅とボイストレーニングで合計2時間、終始真摯な中にも熱気が溢れる講座となりました。
 続いて首都圏の年末恒例である「地区交流会」をホテル ザ゙・エルシー町田に会場を移し開催しました。本部から永池会長、川上監事、田中常務、小川顧問の出席をいただき、総合司会は、霜田氏、藤田氏が行いました。
 夜の宴会タイムでは、川上監事をはじめ、新会員から代表して秋元氏、萩原氏のご挨拶があり、北澤氏からは近況を含めた自己アピールを、小川顧問からも有意義なお話しをいただきました。
 大槻氏からは“不幸にも!襲われたときに備えて”と題して空手の護身術のご披露があり、大変ためになりました。
 最後に、会長のカラオケを聞けるのは、マスターズメンバーの特権でした。あっという間の2時間、楽しいひと時を過ごしました。(岡本一誠)



■ 第7回川上杯懇親ゴルフ大会
 11月17日、スコーレ・マスターズ主催の「第7回川上杯・懇親ゴルフ大会」が神奈川県中津川カントリークラブで開かれ、4組16人が腕を競いました。
 プロ野球元読売巨人軍監督・川上哲治さん(本協会理事)は今年「米寿」で、その祝賀ゴルフ会となり、米寿とは思えない豪快、かつ堅実なプレーで5位に入り、周囲から羨望の声が上がりました。
 優勝は2年ぶり3回目の石田昭義さん、2位は初参加の大豆生田祐さん、3位は川上貴光さん(本協会監事)でした。マスターズ役員は実力どおり(?)下位を賑わせました。表彰式には永池会長が駆けつけ、優勝カップや各賞の記念品を手渡されました。
 懇親会後半は川上哲治さんの米寿を祝して、永池会長から「長寿心得が書かれた手拭」が、マスターズからは「黄金色の頭巾とちゃんちゃんこ」が贈呈され、川上さんから輝くばかりの笑みがこぼれていました。   (小俣富雄)




永池会長NHKに再登場
  文化講演会 最優秀講演に選出!

 永池会長出演のNHKラジオ第二放送「文化講演会」(9月30日放送分)が、年間52本の同放送の中から、最優秀講演に選ばれ、新年1月3日(木)午後7時〜8時にアンコール放送されました。
 永池会長の「どうする日本の家庭」と題する講演は「日本の課題である家庭問題を分かりやすく説き、電話等の反響も特に多かったからです」との選考理由説明がありました。
 長寿番組「文化講演会」は、耳の肥えたNHKの部長クラスが同放送を丹念に聴いて個別評価するシステムをとっており、毎年、その中でのベストワンを、新年の三が日に再放送することになっています。今回の再放送は、まさに永池会長の講話内容と、スコーレの学びの確かさが、社会的な評価が高まってきたものと見ることができます。
 永池会長は「日本の家庭の再生を、スコーレ協会の活動だけでなく、志を同じくする各種団体や機関とも連携して、広く社会に啓発し、多くの方に訴えかけることも必要です」と、広く提言しています。今年の永池会長の活動は、これらの成果をはじめ、さまざまな舞台に拡大していくことでしょう。

投稿コーナー

ネパール短信
    中央地区 桑折 能彦

昨年3月末にネパール国の首都カトマンデゥ市に赴任以来、大変ご無沙汰しております。現在JICA(国際協力機構)のシニア・ボランティアとして地震防災対策の仕事をしております。ちなみにJICAの派遣現況は世界82ヶ国、総勢3,500人(青年海外協力隊2,800人、シニア660人、日系社会ボランティア80人)となっております。
 世界最高峰のエヴェレスト(8,850m)をはじめとし、8,000mクラスの高い峰々が8個ほどネパールにあります。そうなのです。ヒマラヤ山系は太古の昔から色々なプレート(地殻)が集中して競り上がっているのです。したがってネパールは日本と同じように地震国なのです。大地震は約70年周期で起きています。前回は1934年(昭和9年)で死者8,500人(カトマンデゥ市では4,300人の死者)の大地震があり、それから70年が経ち、いつ起きても不思議ではない時期に来ているのです。
 カトマンデゥ市の人口は約150万人となっていますが、実際は倍の300万人といわれています。それは貧しい地方から仕事を求めカトマンデゥ市に集まって来ており、住民登録をしないからなのだそうです。古い街並み、狭い路地、レンガ造り、そして人口密集地。どれをとっても非耐震的要素であり、いったん地震が起こればその被害は想像を絶する数値です。でも、自然災害は防ぐことはできないが極力小さくする“減災”に向けてネパールは地道に防災技術の開発・教育・啓蒙に取り組んでいるのです。
 1995年に阪神地震が起き、神戸市民は地震被害にあったスーパーマーケットの商品を略奪することもなく、入り口前で列を作りオープンするのを待っていた写真が世界中に発信され、日本人のdiscipline(規律)の良さが評価されました。“国家の品格”の品格の定義にもこのdisciplineが含まれることと思います。
 当地ではタイのバンコクで印刷された日本の新聞がその日の午後には読むことができます。現在、Y紙が届き、その中に“時代の証言者−数学と品格”(藤原正彦)があり、楽しく読んでおります。過日、一時帰国した際、自宅近くの書店で “いま、「品格」という言葉をタイトルあるいは副題に使っている本は何冊ありますか?” と調べてもらったら、なんと96冊もありました。中には“馬券師の約束−G1に勝つ馬の品格、教えます”(東邦出版)や“寿司鉄人音やん まい鰯に品格あり!!”(双葉社)があり思わず吹き出してしまいました。
 現在のネパールは貧しい国ですが、凛としたヒマラヤ山系を頂き、緑豊かであり、これから発展する国であり、そのポテンシャルは高く、国民も政治的安定と発展を望んでいます。不幸にして大地震が起きても、スーパーマーケットの前で整然と品格を保ち列を作る国民です。是非、観光と健康作りにお訪ねください。


ハンドインハンド 初体験記
           京浜地区 渡部 潔



 「ユニセホ ボピン ニ ボピョウリョク ホネガイシマ〜ス!」… 本当にこんな言葉が何度か出ていました。
 昨年12月16日、とても気持ちの良い青空の下、私たちは吉祥寺の駅前で「ユニセフ・ハンドインハンド募金活動」を行いました。少し肌寒く、かつ、私にとっては初体験だったということもあり、何度も同じ台詞を連呼しているうちに冒頭の言葉のように噛んでしまうことがしばしばありました。
 「ユニセフ募金にご協力、お願いしま〜す!」皆で大きな声を出して道歩く人に呼びかける活動、この活動の重要性、意義を本当に感じた貴重な一日でした。
 募金活動に実際取り組む前に認識していた「活動の意義」として、一つには直接的な募金原資の確保、二つ目は実際に活動することによる自分自身のボランティア精神の掘り起こしと参加者としての満足感を体感できること、がありました。しかし、実際に活動を行ってみるとそれまで私が気付かなかった最も大きな三つ目の意義があることが分かりました。それは、道歩く他の人に「幸福感」を与えることができる、ということなのです。
 年末の気忙しい中です、自身の目的の場所へ向かうために目の前を通り過ぎるだけでも良かったはずなのに、実際に「募金する」という行為に出てくれた方は、立ち止まり、財布を開き、近寄って募金をするのです。彼らは一歩踏み出して自分自身の中にある「愛情」・「思いやり」の心に火を“ポッ”と灯すのです。きっときっと「幸福感」を抱いたことと思います。
 また通り過ぎてしまった方々も私たちの募金の呼び掛けは耳には入っていたはずです(冒頭記述の噛んでしまうほど大声で連呼していたのですから・・)。心の中で“あぁ、募金するべきなのだろうなぁ…”、“ちょっとテレがあるなぁ、また今度にしよう”くらいのことはモチベイトできたと思うのです。そして実際に別の募金の機会に行動を起こし「幸福感」を抱くことができた人たちがきっといたと思います。

 他の人に「幸福感」を与えることができる活動だったとは、私は実際にやってみるまでは本当に知りませんでした。当日は募金活動常連の家内と7歳の息子と3人で参加しました。息子にとってもこのような活動が体験できたことはとても素晴らしいことであったと思います。
 私は是非、来年も参加したいと思います。ありがとうございました。




■ 人生学講座
連 載
スコーレから学ぶ人生の生き方 B

京浜地区  長久保定夫

事例3:自然を大切にする
(弱者を助ける、いたわる、手を差し延べる)


中央線の社内で(母娘を助けた人々)
平成18年10月13日 私は八王子のNHK文化センターで開講された西原春夫先生の講座に参加しました。その帰り道、金井マスターズ事務局長と一緒に中央線に乗り、国分寺駅で別れた後の車内で考えさせられる出来事に遭遇しました。
 車内は満員と言うほどでもなく、椅子席は埋まり、立っている方が3割程、と言う感じでした。私は幸い座ることが出来ました。手持の単行本を拡げ、読み始めようとしたところ、私の前の座席が騒がしくなりました。その席にはお母さんと娘さんと思われる親子が座っていましたが、娘さんの方は体に障害のある方のようでした。その娘さんが突然、体を強ばらせ椅子からずり落ちそうになったのです。お母さんは娘さんを支えて抱き上げようとしたのですが上手くいきませんでした。とっさに私は助けようと腰を浮かしかけたのですが障害者とは言え、若い娘さんです。ずり落ちそうになった時、穿いていたスカートがめくれて太ももがあらわに成っていたのです。私は躊躇しました。
 その時です。そばに座っていた2人のお嬢さんが立ち上がり、お母さんを助けて娘さんを抱え上げ、私の座っていた列にいた年配の女性が着ていたコートを娘さんの体に掛けてあげたのです。そして同じく、近くにいた2人の男性が(話の様子から多分、お医者さんと思われます)適切な指示をお母さんやお嬢さんに与えて次の停車駅、武蔵小金井で皆で娘さんを抱えて降りました。電車のドアもその時は長く開いていました。誰かが駅員か乗務員にしらせたのでしょう。私はそれらの方々に思わず拍手をしたくなりました。


嬰児を救った少女の見えざる意志

そして、『こころの添木』に書かれているある看護婦さんの死を待つばかりの嬰児を救ったエピソードを思い出しました。永池会長は『こころの添木』のP314で語られています。死を待つばかりの嬰児を救った少女の行動について「彼女のこの体験談に接した時、私は改めて生命の尊厳を思い、人間と言う存在の底知れぬ深遠さを垣間見たような気がしました。世間的にはすれていない、純真で無垢な心を持っていた少女なればこそ、なんの利害打算も考えず、内心からの深い声のままに、素直に行動したと言うべきでしょう。やがて来るべき死を待つばかりの、嬰児を救った彼女の、内から突き上げた衝動とはなんであったのか。1人の少女をそのように駆り立てた、見えざる意思のようなものを私は感じざるを得なかったのです」
 私は嬉しくなりました。今回の行動を起した人々、駅員に、乗務員に連絡した人達、そして私のように具体的な行動はしなかったけれど、何とか助けたいという思いをした方が沢山いたと思われたことです。

護りたいマナー
しかし、次の瞬間、車内で起きた出来事を目にしたとたん、今までの思いは雲散霧消しました。がっかりしたのです。悲しくなったのです。
 その出来事とは、障害者の親子、そしてその親子と一緒に助ける為に駅へ何人か降りましたから4〜5名の分の座席が空きましたが近くにいた方は、その原因が解っていましたから誰も座ろうとはしませんでした。
 小金井の駅から乗った事情の判らない何人かの乗客が我先に飛び込んできました。20代と思われる男性です。座るなりキョリョキョリョ廻りを見廻し、口をだらしなく半開きにして、立っている人たちを「貴方達はなんで座らなかったの?」と言わんばかりの顔をしてました。
 私は思わず「バカヤロウ、君達はその場所に座る資格は無い、年上の人、不自由な体の方、女性の方に席を譲りなさい」と言いたくなりました。しかし、私にはそれを言う勇気も、又、その若者を納得させる説得力も持ち合わせていませんでした。先ほど感じた「日本も捨てたものでは無い」と言う思いも消え失せていました。自分さえ良ければ、楽をできれば、マナーを護るのマの字も思いつかない哀れな人間の姿を目の当たりにした気持です。
 そして、これと似たような思いを最近も味わったことを思い出しました。それは平成18年9月14日、川崎の婦人会館で開かれた永池会長の人生学講座に参加する為、私は娘親子と井の頭線浜田山駅から渋谷に向った車内で体験したことです。
               (次号へつづく)

■ 事務局便り

会 員 動 向
         大島 尚

平成19年3月(平成18年度末)に会員数はちょうど300名に達しました。その後も順調に増え続け、11月で334名になりました。
 最近、地方の方の入会が目立つようになってきました。これは、地区リーダー、ブロックリーダーのお力によるところ大ですが、昨年9月の 
NHKラジオ第二放送での永池会長の文化講演会の放送、またそれが年間最優秀賞に選ばれ、
1月3日に再放送されるなど、全国規模でスコーレが認知されつつあるのも影響しているのではと思います。この勢いを、マスターズ会員の増加にもつなげていきたいものです。

青朱白玄・春夏秋冬
 我がウサギ小屋は崖っぷちに建っており、2階からの眺めは以前は比較的良かった。最近周りに新しい家が建ち多少眺めは制約されたが、幸いにも2階東側の窓からは初日の出を見ることが出来る。元日の朝、少々行儀は悪いと思いつつパジャマ姿で家族の誰にも言わず一人でその瞬間を待った。今年は寒波による冷え込みが厳しかったが、7時頃山の上から昇っていく見事な初日の出を見ることが出来た。思わずいろいろな思いをこめ拝みたくなるのはなぜだろう。
 その前夜、数年ぶりに歌番組をじっくり見た。いつも視聴率が取沙汰されかまびすしいが、聴き応え、見応えのある部分も結構あり、大晦日の夜の楽しみとみてそう目くじらをたてなくてもいいような気もする。あまり面白くないお笑いや大口を開け、品位なく食べている顔を大写しにして成り立っている番組も電波に流れているのだから。
 それよりも、ある新聞で識者に対し歌番組についてのアンケートを行い、かなりのスペースを割いてその内容を紹介していたが、娯楽番組に対しそこまでやるのかという気がした。
 例え話にしては大上段に構え過ぎるかも知れないが、北極・南極の氷山やアルプスの氷河が溶けていく写真、記事などを毎日のように掲載しているのであれば、「今、一人ひとりが環境問題についてどう取り組むべきか」など、本当に我々も一緒に考えなければならない課題についてのアンケートをいく度となく行うほうが識者としても回答のしがいがあるのではないかと思われるのだが。  (梶田健二)


「当面の行事予定」

■〜3月:マスターズ下期研修実施(本部研修室)
■2月10日(日):東海中部「生きがい講座」 (岐阜市)
■3月下旬: マスターズ通信第25号発行予定 (広報委員会)
■4月〜9月:マスターズ上期研修実施 (本部研修室)
■4月下旬:冊子「危機管理・対応事例集」第2集 発行予定(危機管理研究会)
■6月中旬:マスターズ年次総会/研修 (箱根湯本ホテル)

■ 編集後記
  暦の上ではまもなく立春。大寒から毎夜行っている恒例の寒行も終わる。しかしこれからが一番寒い季節。風邪などひかぬよう元気に乗り切りたいものである。自然界ではこの寒さの中でも着々と春に向かって歩き始めており、我が家の紅梅も咲き始めた。
 ところで2月が一番寒いと思っていたが感覚の問題で、データを調べたところ、東京の2月の平均気温は6.3度。1月の5.8度の方が低い。毎日の平均気温を見ると立春あたりから気温は上昇に転じている。冬至を過ぎて昼の時間も長くなり、立春では45分近くも長く、太陽の高さも7度も高い。春はすぐそこと妙に納得してしまった。    (栗山榮治)





編 集:社団法人 スコーレ家庭教育振興協会
    スコーレ・マスターズ 広報委員会
発行人:小俣富雄
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