平成16年度スコーレ・マスターズ宿泊研修


 平成16年度のスコーレ・マスターズ宿泊研修が
6月19日(土)・20日(日)の両日にかけて、箱根湯本ホテルで開催された。
 天候に恵まれ、緑したたる中、北は仙台、西は広島の各地から40名が参加し、本部からは永池会長、田中常務理事、小川マスターズ顧問に出席をいただいた。

 心身開発トレーニング 
13時半のオリエンテーションの後、14時半から2時間の心身開発トレーニングとして、準備体操、大汗をかくほどの発声練習、最後に瞑想を行い当日の研修を終了。トレーニングは永池会長と小川顧問から直接指導を受け、マスターズの藤田、柴原両トレーナーがアシスタントを務めた。

早朝研修
 翌日、5時25分には全参加者が会場に参集、5時30分から村下代表幹事のリードで「生命の覚醒」を唱和して研修が開始された。
長久保、小寺、小俣(富)の各氏が演壇に立って入会の動機、現在の信条、今後の抱負等それぞれの発表があり、参加の方々から大いなる共感を得た。
 つづいて、永池会長から、(1)スコーレ協会が24
年間にわたって家庭の重要性を訴え続け、実践的活動を行ない、世に認知されてきていること。 その中で、スコーレ・マスターズの今後の活動展開をどうするか、
マスターズ活動の対象となっている「父親」に対してどのように働きかけるかが課題であること。
(2)良き家庭、良き父親、良き日本人のために、「欲望」ばかりでなく「感動」を基本とする生活が重要であること、などを内容とする講話をいただいた。
 会長講話の後、小川顧問の閉会の挨拶に続いて「道標」を唱和。広間座談では、会員からの質問、意見に会長からわかりやすいアドバイス、意見、考え方が示され、今後の生き方に対する良き指針が与えられた。
 
懇親会
 第1日目のトレーニングで大汗をかいた後、一風呂浴びての懇親会は気分爽快に皆くつろいだスタイルで開催された。歓談の後、山口、今野、小俣(一)、米村、横田各氏と初参加代表として山下氏のスピーチがあり、また仙台から参加の奈良氏のインドの古楽器サランギによる心懐かしい歌の演奏に、会場はさらに盛り上がり、お開きとなった。
 その後、幹事部屋にて会長も加わっていただき、和やかな二次会がもたれた。





スコーレ・マスターズ第2回会員総会
 
 会員総会は、全国から40名の参加を得て、20日
早朝研修の後、午前9時から三部構成で開催された。
第一部の議案審議では、村下代表幹事が議長となり、平成15年度事業報告・決算、平成16年度事業計画・予算案および役員定数変更の3議案全てが承認された。議案審議終了後、永池会長より任命された新役員(別掲・次頁)が紹介され、三橋新代表幹事をはじめ全員が抱負を発表。短い中にも熱い想いが伝わり、マスターズのさらなる発展が期待できる頼もしいコメントが続いた。
 第二部は、永池会長より「マスターズ活動の目指すもの」と題して講話をいただく。会長から「マスターズ自らの力で会員を満足させる企画や行事ができるよう、様々に知恵を絞って欲しい」との強い期待を寄せられた。
 続く第三部は、意見交換会を行う。特にIT委員会が独自に作成したホームページ試作品を、パソコンとプロジェクターを使って紹介、会員から細部にわたり積極的な意見が続出し、関心の高さが表われていた。今回は参加人数が多く、意義ある総会および宿泊研修となった。 



■スコーレ・マスターズ活動報告
                平成16年1月〜平成16年6月
(社)日本家庭生活研究協会との 連携活動
           事務局長 金井 繁

 何故、外部団体との連携か?
 男性が社会・職場・家庭の中でどのようなスタンスを持って物事に取組むべきかを学ぶ場がマスターズです。そして、スコーレ学習を内輪で個人的な活動として考えるのではなく、男性の特性としての社会的、職業的知識と経験を踏まえた高い意識を持った人材と組織作りを通して、将来的には「外部に向け貢献できる存在」を目指したい、
これがスコーレ・マスターズの目標でもあります。
 今回は、そのような視点で永池会長が副会長に就任している(社)日本家庭生活研究協会(略称・JFCA)への活動参加を、外部団体との連携の事例として紹介します。
 ■シンポジウム への参加
 昨年度JFCAでは、「父親の家庭教育への参加促進事業」をメインテーマに取組み、その一つとして計三回開催されたシンポジウムにマスターズ会員が延べ32名参加した。
 社会・男性・家庭を各界の識者が論じるシリーズはスコーレ内研修とは一味違った刺激があり、この中の一つが10月にマスターズ主催「生きがい講座」の講師選定に繋がった。
 ■小冊子「おとうさん の10ヶ条」発行
マスターズ会員へ3月に配布致した小冊子の企画、編集には、スコーレ幹部の資料提供に加え、マスターズも「おとうさんのライフ・ステージ」の標題であとがき部分の企画を担当し掲載することができた。日経・東京・河北・下野・名古屋などの新聞掲載の結果、全国的に幅広く頒布希望が殺到し非常に好評を得ている。スコーレのノウハウが結実した小冊子です。
■すこーれ誌へマスターズ会員投稿の掲載
 『すこーれ誌』の9月号から10回シリーズで「おとうさんの10ヶ条」の関連記事として「スコーレ・マスターズ会員の我が家のこだわり」のタイトルで毎号1ヶ条ずつコラム記事が掲載される予定です。
 現在、全国から10名の執筆者に依頼中ですが、乞うご期待。





マスターズ・講師養成講座始まる
   副代表幹事  小俣富雄

 さる9月18〜20日の3日間、マスターズ恒例の滝行が実施されました。永池会長以下4人の指導者のもと、メンバー11人が参加しました。場所は木曽御嶽山3合目の、落差が50mもある滝です。荒行と言っても過言ではない程厳しいものですから、例年若手を中心に限定参加となっています。今回も、初参加で首筋に違和感を持った人が出ましたが、全員滝に打たれた後の心地良い疲労感と爽快感を持って、無事帰宅いたしました。来年は公募しますのでお楽しみに。



■ マスターズ・下期研修始まる

4月24日(土)本部研修室を会場に、『マスターズ講師養成講座』が、永池会長を講師にスタートした。首都圏をはじめ、遠くは栃木・岐阜・北陸から9名が受講。
 開講にあたり、永池会長がスコーレ協会の成り立ちや性格、マスターズの位置づけなどを説明された。また、会長が今年度から八洲学園大学客員教授に就任、ゼミを担当することをはじめ、外部団体との共同研究の重要性、マスターズが果たすべき役割等について強調された。
 つづいて、『かく生きてこそ』をテキストに講義がスタートした。
 受講生(敬称略):川田昌孝、三橋克興、
岡本一誠、村下三郎、小俣富雄、金井繁、近藤悠、小寺房征、山下勝也。



■ マスターズ新年度組織・担当

 6月20日に開催されたスコーレ・マスターズ
  第2回総会で下掲の新役員を決定。

代表幹事 :三橋克興
副代表幹事:長久保定夫、小俣富雄
幹事 : 横田将良、栗山榮治、岡本一誠、金井 繁
      近藤 悠、小寺房征、桑折能彦、大島 尚
      伊藤範昌  

会計監事 : 川田昌孝、梶田健二
顧 問   : 小川健次、村下三郎
相談役  : 山下勝也
事務局  : 金井 繁(局長)、大島 尚、藤田和弘

<委員会委員>
企画委員会:岡本一誠(委員長)、栗山榮治、金井 繁、 桑折能彦、近藤 悠
研修委員会:桑折能彦(委員長)、藤田和弘、 柴原和晶
広報委員会:栗山榮治(委員長)、梶田健二

<地区リーダー>
(北関東地区) 川田昌孝
(京浜地区) 長久保定夫、
(中央地区) 大島 尚
(八王子・多摩地区) 小俣富雄、
(北陸地区) 近藤 悠
(東海・中部地区) 小寺房征、
(近畿地区) 伊藤範昌
(中国地区) 横田将良







連 載
生き方の美学を求めて A
マスターズ代表幹事  三橋克興

第2章 父親の役割 
 
戦後の高度成長は今大きな心の傷を残し、先生も親も日々に荒れ狂う子供達に、何も施すすべもなく自信を失ってしまい、生きる自信を取り戻さない限り、日本は物で栄えて心で滅びてしまう、大変危惧される時代を迎えております。
そうした中で「父親の役割」とは何なのか…。
親が子供に与える事が出来る貴重な贈り物は「健康と素直な心」だと思います。
 私は鎌倉で生を享け、社会人になる迄の人生を過ごしてまいりました。幼な心に頭の中に残っている事は、海から昇って来る太陽に向かって、合掌している祖父や父の横顔です。何か人間を越えた絶対的なものに対する帰依の心を感じ、大きく逞しい父親であったと思い出すのです。心の財産の素養は、人間の人生の中で尤も柔軟な心を持っている子供の時代に、親の手によって植え付けられるものだと思います。
 

 父親のリーダーシップ

人間はどう見ても天性的に、悪と呼ばれる性格の方を多く持っています。過去の人間社会の大きな変化は、全て今日最も邪悪とされる戦争によって、もたらされてきました。意志の弱い人間は嫉妬や敵愾心と云うものによって自滅もし、人生を挫折、破壊させてしまいます。大切な事はそうした相対的にも絶対的にも、強い感情の衝動エネルギーを、如何にプラス方向に切り替えて結実させていくかが、父親のリーダーシップの見せ所ではないでしょうか。
 論語が説いている「仁、義、礼、智、信」のように、礼儀と云うものは単に礼儀作法だけでなく、人間の最高の美徳の一つであります。これを子供に教える事も親の躾の義務であります。父親が節度をわきまえていると云う事は、子供にとって最大の教育だと思います。「ごめんなさい」とか「失礼」と云う表現で、お互いの節度なり礼儀を子供の前で見せる事は、挨拶と云うものが人間関係の入口になると云う事を、子供に暗示する事になります。
 人生の中で共通の場所で生活を共にする可能性の多いのが友達であります。その友達も本当に心の通った信頼のおける人程、いざと云う時にどれほど人生の支えになってくれるか、測り知れないものがあります。心の友はいくら慌てて求めても、直ぐに得られるものでなく、子供の時から友情の価値と云うものを教え、また心の友を選び捜し求める姿勢を持たせる様、教えて行かなくてはなりません。

 
挫折からの再生
挫折のない人生はなく、挫折の果ての絶望を伴わぬ人生もあり得ません。
挫折と絶望は人生と云う階段のステップであり、それによって人生は上昇もし下降もします。
 私は、社会人2年目の年に父が事業の失敗で倒産し、絶望感を身にしみて味わいました。明日から生きるためにどうするか?と考えた時、自分自身が前向きに挫折と絶望を克服し、勇気を持って生きるしかないと、覚悟を決め歩んでまいりました。
 そのように覚悟した中でも人生にはままならぬ問題に直面することがあります。九州から大阪に転勤の際、長男の不登校の問題が発生し、ここで初めて永池会長と出逢い、ご指導をいただきました。
 まさに子供の世界と云えども、子供は子供なりに挫折しその度に絶望を味わう。しかし死にたくなる程の絶望は、実は他の絶望に比べて大きな蘇生への一つの転機であると云う事を、学ぶ事が出来ました。ですから挫折と絶望感を親は出来るだけみてあげ、そこをジャンプ台として生きる勇気を与える事が、大切であります。
 凡ての物事が他力本願になっている今日では、その為に学校があり、専門家としての先生や教師がいるのではないかと云う声を聞きますが、これは間違いであり、親の責任において行われるべきであります。
 永池会長が云われる様に「心の学び」の根っこにあるものは、あくまで家庭であり、子供の躾の中心は親であり、先生や教師ではないと云うことです。教育の本当の意味は、子供の個性を存分に伸ばし、その上に立って才能を育み、結実させて行く事だと思います。(以下次号)








■マスターズHPの立ち上げ
   藤田和弘

マスターズHPの本格運用に向けて試験運用をしていますが、ご覧いただいたでしょうか?
スコーレ本体のHPも一新され、マスターズの活動内容も大々的にアピールされています。このスコーレHPではカバーしきれないダイナミックな活動内容をマスターズHPで運用ができるように心がけています。その一環として、マスターズ研修4月度、5月度の会長講話を「会長講話集」という形で、アップしました。走りながら、運用面の課題を解決し定着させていただこうと考えています。マスターズ会員だけの特典ですので、是非ご覧ください。
 アクセスのためユーザIDと、パスワードが必要です。下記のメールアドレスへお気軽にお問い合わせください。
webmaster@schole-masters.org



■「こころの添木」CD版作成と会員動向
    大島 尚

「こころの添木」の解説テープも第13巻からCDとなり、いっそう使い易くなりました。皆様は
平成16年度の申し込みはお済でしょうか。5月末現在、既に147名の方からCDの申し込みをいただいています。
 会員動向については、前回の報告時(マスターズ通信第2号)では181名でしたが、その後、7名の方にご入会いただき、3名の方が退会され、5月末現在、185名となっています。
 残念ながら、北陸の本 良之様はご病気により他界されました。ご冥福をお祈りいたします。




編集後記

 私の故郷は人口約9,000人のみちのくの小さな半農半商の町である。毎月その町から広報が届く。その最後のページには町の人口動態が昨年度と比較しながら載っている。確実に右肩下がりであり心が傷む。大きな産業もなければ集客する観光資源もない。町政をあずかる人も町民も大変かと思う。これで町が暗いかと云うと決してそうではない。むしろ明るいのである。
 「ナポレオン」と「モーツァルト」、どちらも有名な人物である。しかし、前者は歴史上の偉大な英雄ではあるが今は我々にあまり関係がない。一方、後者は今も家庭で、喫茶店で、コンサートで音楽を通して身近な存在である。文化の底力を感じる。そうなのです町民は身近な里山との関わり、四季折々の田園風景、祭、寄合い、そして、小さな町という共同体の中の生涯教育に文化を感じ、心が充されているから明るいのだと思う。
 スコーレ・マスターズの活動には派手さはない。
しかし、身近に人生を学び、会員との交流を通して楽しみながら自分の文化を創るという心充たされる時を持てることがなによりだと思う。(桑折)






「今後の行事予定」 マスターズ事務局

■滝行 9月18日(土)〜9月20日(月)

■下期「マスターズ研修」10月から毎月一回

■「生きがい講座」10月9日(土)決定

■'04川上杯・ゴルフコンペ(計画中)

■地区交流会(首都圏は12月)