■平成16年度 生きがい講座 開催
『 メンタルヘルスの現場からみた
 社会・家族そして父親の役割 』


 10月9日(土)、新宿住友三角ビルで主催スコーレ・マスターズ、後援(社)日本家庭生活研究協会で本年度の「生きがい講座」(首都圏)が開催された。講師は、乳幼児、小児の学会で活躍され、著書も多い慶応義塾大学医学部専任講師の渡辺久子氏。当日は台風22号の暴風雨の中であったが、111名もの参加があった。

■幼い時の幸せ感が大切 
講演は、「父親の尊厳を生きたかたちで子どもたちの心に回復すること」が大事であると思っていること、「日本の社会の歴史と、変革の中で夫婦が人として共存していくという課題の難しさ」を感じているというプロローグから始まり、内容は多岐にわたりました。
 幼い時に「幸せ感のある時を過ごした人で意地悪な大人はいない」と言い得ることを考えると、子どもの問題は3世代にわたっての経緯があること。祖父・祖母の生き方がその子供の育ちに反映し、それがまたその子供達(孫)に深く投影されていくこと。生まれてすぐの赤ん坊でも抱き上げた父親のリズムを感じていることが研究で明らかになっていて、夫婦の優しい安心感のあるリズムのやりとりの中に赤ん坊は安心して育つこと。また、リズムばかりでなくメロディや物語性も重要であることを強調された。

■思春期こそ父親が
さらに、思春期こそ父親が大事であること。夫婦の連帯と世代境界(夫婦と子ども達との境界)が肝要であり、母が息子に夫のグチを言って母子の連帯を作り夫に対抗したり、夫が子供の前で妻を悪し様に言うべきではないこと。母親の瞳の中に父親が笑っていると娘は良い育ちをし、父親の瞳の中に母親が笑っていると息子が良い育ちをすると言えること。戦中・戦後の時代、私たちの親の世代は厳しく、砂漠のような子育てをした。また、高度成長の時代は、父親は仕事にとられ、母親は、地域社会の絆からはずされ孤立化してしまった。そのことが今日の子供と家庭の諸問題を惹起していること。良い子育て、良い家庭はどんなところから生まれるかを豊富な事例と、氏自身のご経験から、時間をかなりオーバーして熱のこもった講演をされた。


講演内容はこちら



心の栄養を創り出すパイオニア
スコーレ・マスターズ
 
代表幹事 三橋 克興

 この度、第2回総会におきまして代表幹事を拝命致しました。微力ではありますが、マスターズの3年目に向かって、皆様の揺るぎない力を結集し、自主運営をさらに推進して参ります。
 今、日本は戦後の高度成長のツケがあらゆる面に噴出し、知らぬ間に日本人の心を蝕み、リストラや合併など激変する企業環境に翻弄され、中高年や働き盛りの30代40代の人迄が人生を見失う傾向が出ています。このような状況の中で、マスターズに課せられた大きな使命は、一人一人が主役になり「心の栄養」を創り出し、父親として家庭に社会に浸透させることが重要であります。父親は家庭のリーダーとして、恥ずかしくない人生を歩み、自己充実を計ることが重要であります。
 マスターズはこの問題に、真正面から取り組み、どうしたらよいかを考え、そのために自ら行動を起こし、悔いのない人生を生きるために、心に決めた事は先延ばしにせず、実現を計ることによって、今が輝いてきます。生涯学習の場を通し、人生哲学の学びを深め、会員相互の交流と連携を計り、『21世紀の新しい日本人の価値観を創り出す』パイオニアとして世の中に広く訴え、組織の充実と拡大を期する所存であります。 



■スコーレ・マスターズ活動報告
                平成16年7月〜平成16年10月
           最近の活動状況
           事務局長 金井 繁

 
■スコーレ25周年大会テーマの募集がありましたが、本部へ応募のあった121点のうち、マスターズからは20点の応募をいたしました。
■マスターズが企画参加し好評の「お父さんの 10ヵ条」は初版無償分7千部が底を付きましたので、編集人として永池会長名を明記した第2刷を完成させ、3千部(200円)を増刷し、スコーレ本部に 1千部を保管しています。頒布ご希望のかたは、本部へご相談下さい。
■マスターズの会員増強は今年度の一大テーマですが、この取組のために、基盤推進委員会のプロジェクトを立ち上げました。マスターズの活動が拡大するなか、スコーレ内で関連記事の掲載が多くなっていますが、意外と重要なのは、日頃の女性幹部の皆さんとの交流、情報交換です。最近、日常活動を通し、マスターズへの新入会員の紹介を受けるケースが出ています。
■マスターズの「入会案内」は残部が少なくなり、マイナーチェンジを検討しております。ご意見を事務局までお寄せ下さ
い。



■ 木曽御岳山滝行報告
   副代表幹事  小俣富雄

 さる9月18〜20日の3日間、マスターズ恒例の滝行が実施されました。永池会長以下4人の指導者のもと、メンバー11人が参加しました。場所は木曽御嶽山3合目の、落差が50mもある滝です。荒行と言っても過言ではない程厳しいものですから、例年若手を中心に限定参加となっています。今回も、初参加で首筋に違和感を持った人が出ましたが、全員滝に打たれた後の心地良い疲労感と爽快感を持って、無事帰宅いたしました。来年は公募しますのでお楽しみに。



■ マスターズ・下期研修始まる

平成16年度下期のマスターズ研修が10月17日から始まりました。毎回、研修の前半は永池会長、小川本部長を講師にお迎えした人生学講座で心を耕し、後半はボイストレーニング等を通じて汗を流して、心身の活性化を図っています。
 若干の余裕がありますので、参加希望者は事務局まで、お申出下さい。(受講料 17年3月分まで5,000円 )








★学びの“成果”が10年連続優秀店に
京浜地区・桂 誉宜 

脱サラして写真店を始めて10年。「スコーレ」の学びに助けられて、今回富士写真フィルムから「品質コンテスト10年連続優秀店」として、特別表彰を受けることができました。
 開業当初は、成功させなければの意気込みが強く、生活はすべて仕事が中心でした。そのため家族への思いやりに欠け、不用意に争いを引き起こす状態でした。また、お客様への心配りも不足して、ただ忙しい毎日だったと思います。
 そんな状態の時に妻から、「マスターズ人生学講座」の話を聞き受講。入会をして少しずつ心のもち方を学びました。まず、家族との時間を大切にしていくうちに、「共感と感謝」を自然と表現できるようになり、私の気持ちも穏やかになりました。店でも、お客の求めるものをくみ取り、どんな場合も笑顔で対応する自分を発見し驚いています。そんなスコーレでの学びの結果が、今回の表彰に結びついたと、本当に感謝しております。


★一泊研修に参加して
近畿地区・伊藤範昌

渓流に若鮎がおどる6月、箱根湯本でのスコーレ・マスターズ研修に参加しました。心身開発トレーニングでは、身体から堆積物が出て行く様な心地よい疲労感が得られました。広間座談では参加者から仕事や生きがいについて、本音での質問が有り、自分自身と重ね合わせてすごく良く解る部分もありました。環境や物質的な事は、思うままにならない時もあります。しかしどんな時でも、人生に目標を持ち、情熱を燃やし、喜びを感じる事は、自分次第で可能であると今回の研修に参加して思いました。





連 載
生き方の美学を求めて B
マスターズ代表幹事  三橋克興

生きがい 
私は四十三年間の会社生活の中で学んだことは、「人生のいきがい」と云うものは、「最善の努力によって生まれて来るものである」ということであります。
 仕事というものは、その人が生きがいを感じる、最も大事な部分であり、大切にしなくてはなりません。「自分の一生の終わりと、初めを結びつける」ことの出来る人は、最も幸福であります。
仕事をすることの喜びの中で、自分自身を一番満足させてくれることは、その仕事をやり遂げようという前向きなスピリット(精神力)が生まれ、目標を達成した時の喜びであります。
 人生の中で枝を増やして行くことも大切であります。自分自身という人間が幹であります。色々な人と出会って自分の枝を伸ばす事によって、どんどん豊かな人間が形成されて行きます。私は営業一筋の人生を送って来ましたが、多くの人達との出逢いによって、自分の見聞なり知識なり物の見方などを、豊かにする様心掛けて参りました。これによって自分自身の幹が形成されてまいります。


心の経営
私は最後に系列会社の経営を任された時、「会社の経営」とか「サラリーマンの仕事のやり方」であるとか「ビジネス・リーダーの責任」であるとか、根本はすべて同じであると思いました。
 仕事が上手くいかないと、自分の責任にしないで、世の中が変化したからだとか、あっちのやり方が悪いとか責任逃れをするものです。しかし、ビジネス・リーダーたる者は「責任逃れや極端な弱者意識に陥ってはならない」と云うことです。
 従業員の方々は上に立つ方がどんな顔をしているか、鋭くみています。上の方が「大いに売上を伸ばし、利益を拡大しろ」と、いくら口で云っても、トップの顔に輝きがないと、心の中では「まあこれくらいで、良いだろう」と思ってしまいます。これは私の経験から云うと、非常に敏感であります。何処まで部下を信じ切っているか、或いは疑いの眼で見ているかで、非常に違ってくると思います。部下を教育して行くには、頭の中だけで理解していては駄目だということです。これは全く子育てと同じで、親自身の姿勢が問われます。
 ですからビジネス・リーダーは「心のビジネス・リーダー」でなくてはならないと思います。我々は評論家ではないのですから、仕事の中で実践しそれを経営に生かし、従業員全員に浸透させることです。

人を創る

「人を創る」という事で、仁徳と才覚を兼ね備えることは、非常に難しい事であります。
 頭の良い人はどうしてもエリート意識を持っていまして、仁徳を磨きあげることを忘れてしまっています。ですから頭が良くて、どしどし良いアイデアを提案でき、そのうえ協調性のある人は第一級の人物だと思います。中々そう云う完璧な人はおりません。長所を上手く生かし時間をかけて、実例を持って説明してあげたり、良く話しあいをして人を創って行くことが、リーダーの役目であります。
 人間は凡て未完成です、私が辿って来たつたない人生体験の一こまを、申し上げましたが、少しでも皆様のお役に立てばと思います。これからも水の流れの様によどむことなく、「心の学びの旅」を続けてまいります。    (完







■マスターズHP本格運用開始
   
藤田和弘

マスターズHPの本格運用を始めました。
 4月度より開始しました会長講話集も既に6回分を掲示しております。また、今回、10月に行われました「生きがい講座」の講演内容もマスターズ会員以外にも期間限定で特別に公開いたしました。
 もう一度お聞きになりたい方、残念ながら出席できなかった方は、是非、下記のマスターズHPへアクセスしてみてください。
 http://www.schole-masters.org/「生きがい講座」(17年3月末日までの期間限定)
  アクセスユーザID : ikigai
  パスワード     : kouza
 なお、会長講話集は、従来通りマスターズ
メンバーのみアクセス可能です。ユーザID、パスワードに関しては、
   webmaster@schole-masters.org
まで、お気軽にお問い合わせください。



■会 員 動 向
   大島 尚


前回報告時の会員数は185名でしたが、その後14名の入会があり、199名となりました。また『こころの添木・CD』ご購入者は152名です。
 最近、メンタルヘルスの重要性が盛んに言われ、本年のマスターズの生きがい講座のテーマもこれに関連するものでした。渡辺久子先生のご講話も日頃のスコーレの教えに通ずるものがあり、スコーレの重要性を認識した次第です。今後、さらにマスターズ会員が増えることを期待しております。







いのちの潤いをはぐくむ家庭とはどんなものであろうか。ところで、似ても非なる言葉に「ホームシック」と「シックハウス」の2つがある。後者は最近社会問題となっている新建材、塗料から放出される揮発性有機化合物により、頭、目が痛くなったり、アレルギー症状の原因となっている住まいである。
 昔と今の住まいの根本的な建築様式には、「湿式」と「乾式」の方式の違いがある。昔の住まいは壁土、漆喰でしっとりとした湿式であるのに反し、現在はベニヤ合板、ビニールクロス、アルミサッシュという乾式である。
 どうもこれが日本人の心が乾いた原因ではないかと思われる。時代の流れとして昔に戻すことは不可能であるが、スコーレ・マスターズの学びを通して、いのちの潤いを生活に浸透させ家族がホームシックにかかるような家庭を築きあげてゆきたいと思う。(桑折)







編集後記

今年はなんと10回も台風が日本に上陸し、各地に甚大な被害をもたらし、犠牲になられた方も多数に上りました。被害に遭われた方々に対し心からお見舞い申し上げますとともに、お亡くなりになりました方々のご冥福をお祈りいたします。地球温暖化の影響とも言われていますが、来年は台風の影響が極力小さいことを祈るところです。  (栗山)






「今後の行事予定」 マスターズ事務局

■下期「マスターズ研修」(実施中)
              10月〜17年3月

■東海地区「生きがい講座」 11月 3日(土)

■'04川上杯・ゴルフコンペ  11月17日(水)

■地区交流会(首都圏)   12月18日(土)