★★スコーレ・マスターズ通信★★ 第7号
平成17年3月15日

■メニュー豊富なマスターズ研修スタート 


副代表幹事
小俣富雄
 新年度の「マスターズ研修」は、シニアコースとミドルコースの2本立てとなり、世代に合わせた研修メニューが出来上がりました。
 従来は、第一部では会長講話を中心とした人生学講座、第二部では発声訓練を主体にした腹式呼吸を体得するための心身開発トレーニング、という研修プログラムでした。継続受講している方は、「元気が出てきた」「大きな声が出る」など、着実に研修成果が表れ自信を深めています。お蔭様で、若手を中心に参加者も増加してきましたので、更なるグレードアップのため、昨年後半より「坐禅による研修の導入と新研修体系」について専門研究会で検討を重ねてまいりました。新年度の研修は、この検討結果を踏まえ、具現化したものです。

 研修内容の詳細は、開催案内チラシに記載していますが、主な変更項目についてご案内いたします。
@新機軸の「リラクゼーション禅」については、講師となる山下相談役の下掲解説のとおりです。
Aシニア55歳以上、ミドル54歳以下と分類していますがダブル受講も歓迎です。
B人生学講座はミドルコースに講師で小俣が参加しますが、原則54歳以下となる若手参加者のコーディネーター役とご理解ください。
C人生学講座の使用テキストも3年ぶりに替えました。
 新装なった研修に一人でも多くの方の受講をお待ちしております。なお、遠隔地の方々は是非、6月の宿泊研修でご体験ください。


■「リラクゼーション禅」のスタートに当って


相談役
山下勝也
 一昨年秋、ある雑誌で永池会長の対談記事を拝見し、「父親は仕事に生きるだけではなく、家庭の関わりを大事にすべきです。母親と子どもの関係には母親の心の動揺が影響しますし、母親の心を支えるのは父親です。家庭は夫婦の関係が基本です」とのご意見に共鳴し、早速お会いしてスコーレに参加させていただきました。
 その後会長から、マサチューセッツ大学医学部で開発された「ストレス対処およびリラクゼーション・プログラム」を研究するようにと一冊の本を頂きました。「生命力がよみがえる瞑想健康法」がそれです。著者が創設したストレス・クリニックは禅の思想を根幹とし、さまざまな東洋的行法を取り入れたたもののようですが、なかでも曹洞宗の開祖道元禅師に深く傾倒している医師と思われます。
 当会ともご縁のある嶋野栄道老師(米国ニューヨーク洲の大菩薩禅堂創始者)やフランスで禅を普及した故弟子丸泰仙老師などのお陰で、欧米では禅の理解者が急速に増えているそうです。
 私は、日本人が東洋古来の英知ともいうべき禅について認識を深め、宗教色を薄めた実践を通じて心身の健康回復を志すことに意義があり、生涯教育を旗印にかかげるスコーレにも誠にふさわしいテーマであると思います。
 4月からの講座では、皆様と共に学び合う場をプロデユースして参りますので、皆様のご協力を心からお願い申し上げます。


■スコーレ・マスターズ活動報告

■7年度の活動計画
            
     事務局長 金井 繁

 
 17年度の活動計画が固まりましたので、主要点のみ報告致します。従来は個別行事毎に日程等を検討していましたが、今年は「判りやすく参加しやすい」を目標に予め年間行事を開示することにしました。主な行事は次のとおりです。
○首都圏の「マスターズ研修」は2コース制として受講生増加に備えることとしました。新研修については前ページの記事をご参照ください。
○昨年全地区から40名の参加があった「宿泊合同研修兼マスターズ総会」は、6月11〜12日に行います。研修に懇親に全国から集う主要行事です。今年も多数の方の参加をお願いします。
○「生きがい講座」は、@首都圏は7月2日、朝の文化放送でお馴染みの蟹瀬誠一氏が講師です。A東海中部地区は11月実施の予定です。
○この他、9月には「滝行」、10月にはスコーレ25周年記念大会、11月には川上杯、会員を繋ぐ「マスターズ通信」は隔月発行を目指します。


 ■お父さんへのメールと手紙・子どもたちへのメールと手紙大賞
藤田さん一家親子で入賞

 永池会長が副会長をし、マスターズが実質連携窓口となって支援している(社)日本家庭生活研究協会が、昨年10月から実施していた「お父さんへのメールと手紙・子どもたちへのメールと手紙大賞募集」で、マスターズの藤田和弘さん、小俣富雄さんが入賞(佳作)され、子どもからの手紙の部では、藤田知慧(ともあき)さん(小学生)が入賞(佳作)されました。





投稿コーナー

スコーレ活動と長男の成長
北関東地区・山口哲生


 長女侑子は、ジャズダンスを始めて6年になろうとしています。先日も同級生の中で二人が選抜され、年上のお姉さん達と一緒に公演しました。選ばれた同級生のお友達と「どちらがセンターになっても、お互い頑張ろうね。」と励ましあい、公演までの二ヶ月間、一度も休まず練習に参加していました。
 先日、六甲縦走(56キロを一日で歩く)で、女性参加者は一人でしたが、14時間かけて完走し、出迎えた時は思わず「よくやった」と抱きしめたくなるような感動がありました。翌日は足を引きずりながらも踊りの練習に行きました。侑子自身は大きな達成感を得、家族には勇気を与えてくれた出来事でした。
 妻の日頃のスコーレ活動の姿を見て、「自分も頑張らなければ」と侑子の努力する心が芽生えていることに、父親としてエールを送るとともに、「子育ては、自分育て」をあらためて経験することができました。
 侑子、いつまでも輝け、星のように。



いつまでも輝け、星のように
近畿地区・平田保則
 

 今年五歳になる長男が一歳の頃、滋賀で「すこーれ誌」の頒布をいただいて、家内がスコーレを知りました。おかげで子供はすくすくと育ち、笑顔がすてきな本当に宝物といえる存在になっています。
 当初から気をつけたことは、ほとんど叱らないで誉めることを心がけたことです。ちょっとしたことでも誉めてやると素直に喜びを表し、幼稚園の先生や保護者の間でも、とても子供らしい、天真爛漫などと評判をもらって誇らしく思っています。これも母としての妻の影響が大きいと感謝しています。
 一方で、おもちゃのあと片つけがあまりできず、いやな事があるとずっとごねる状態ですが、長い目でみて余り心配していません。男の子ですので、今後社会生活などの面で父親の役割が大きくなってくると考え、自己研鑚に努めたいと思います。マイホームパパをめざしていた思いとは逆に仕事中心の生活で家族団欒の時間も少ない状態ですが、マスターズの皆様と相談し合えることがとても心強いので、できるだけ時間を作り、研修に参加しようと思います。 





■ 人生学講座
連 載
私の人生学 そのA


北陸地区リーダー  近藤 悠


第2章 青年期のこと
 4  月  
 4月を旬日のうちに迎える。若草色、芽吹いた草の緑色、「未完の緑」と呼びたいような、その初々しさが好きだ。この季節は入学や入社という出会いが、そして転勤や卒業という別れがあり、人々の春愁春思が交錯する。
 38年前の春季、新社会人の私は銀行に入社した。その職場には、仕事をテキパキとこなし、部下に的確な指示を与える係長がおられた。学生気分の残る私は、その「プロ」から事務のいろはを教えられ、鍛えていただいた。恩人のひとりである。


人格の崩壊
 銀行ではそれぞれが3年程度で転勤となり、人が行き交う。まれに昔一緒だった方と、別の職場で再会したりする。初任店での係長Y氏とは、その後、東京・新宿支店で再会した。驚いたことに、10数年の歳月が、優秀で穏やかであったY氏の人柄を一変させていた。連日、業務をそうそうに切り上げ歌舞伎町の歓楽街にひとり向かう。仕事にもミスが目立ち、職場では浮いた存在になっていた。
 「あのY氏がなぜ?」という疑問は、すぐに解けた。不登校に苦しんだ長男が自死し、その数ヵ月後、奥さんも後を追った、とのこと。家庭の不幸や会社での挫折が、Y氏の人格を破壊していた。
 自然界には時として非連続の変化が生じる。雪が山斜面に降り積りある限界を超えると、わずかな衝撃によって一気に崩れ落ちる。谷々に響きわたる轟音と震動、雪崩は徐々に積み重なって行く連続的な変化とは次元が異なる。他方、人生での長い苦闘の果ての突然の人格崩壊には、雪崩のような音も形もない。しかしY氏の心情を知ったとき、耳には届かぬ轟音と悲鳴が私の心に響いた。
 同氏におきた人格の崩壊は、回復不可能だろうか。雪崩は一旦生じたら、元に戻ることはない。しかし、人間は何かをきっかけに立ち直れる霊的な存在だと信じたい。幾日幾夜幾年もの自嘲・悔悟・反省の積み重ねの後に、突然、非連続的な更生に至り得るのではなかろうか。私は、優れた資質をもったY氏がどこかで何かをきっかけに見事に立ち直っていることを念じる。


私の挫折 
 Y氏のことは、実は、私自身のある一面の拡大鏡であった。
 会社員は、職位ピラミッドの最下辺部からその経歴を始める。同期で入社した者のうちから、取締役になるのはせいぜい1名、まして社長・頭取は、数期を通じてただひとりでしかない。青年期の私は、不遜にも「自らの経綸を行うため」との理論武装をし、昇進を願った。
 会社員の多くにとり、他社に勤めるかっての同級生の給与が数万円多かろうと、1年も早く係長になろうと、動揺はない。しかし、同期生が自分より100円高い評価・昇給と知ったとき、その衝撃は大きい。
 私にも勿論、そのような経験がある。比肩していると思っていた同期の幾人かが先に支店長職に就いたとき、激しい挫折感を味わった。自分では恬淡とした性格と思っていたが、みにくい馬脚を現し、そのことがまた自己嫌悪の情を増した。余りにも恥ずかしいので、妻にも語れぬ取り乱した心情のまま、数年を過ごした。

人生の本質
家庭では、子供に問題行動が現われていた。このような時期、初めて永池会長にお会いし、安心立命への途に踏み出すことができた。
 いま、時を経て省みると、会社での昇給昇格や肩書きなどは人生の本質、幸福とはまったく関係がないことが分かる。人生で問われていることは、評価するに値する理想精神と生活スタイルを作っているか否か、であろう。

(次号へ続く)




■ 事務局便り

メールニュースの配信を開始・Web Patioも開設 
   藤田和弘

”スコーレ・マスターズ メールニュース”の配信を開始しました。“今月の「会長のことば」”、“マスターズ活動全般”、“マスターズ研修/生きがい講座の案内”等の新鮮な情報を皆様にお届けします。また、メールニュースと併用した取り組みとして、全国会員相互の情報交換の場として、Web上仮想広間座談(掲示板 Web Patio)も設置しました。会員皆様の情報交換の場として大いにご利用ください。また、メールアドレスをお持ちの方で未登録の方は是非この機会に登録をお願いいたします。登録はwebmaster@schole-masters.orgまで。


近畿地区の伊藤さん皆勤賞の快挙
   栗山榮治

 平成16年「早朝研修」全国表彰者が先日発表され、マスターズ会員では次の方々が表彰されることとなりました。
 「皆勤賞」 <366日参加>
(近畿地区)伊藤範昌さん
 「精勤賞」<350日以上>
(京浜地区)長久保定夫さん
(八王子多摩地区)小林晃さん
 男性の場合、仕事、付き合い、その他、諸々の事情があり、条件は厳しいのではないかと考えますが、その中での快挙であり、受賞者のご努力に敬意を表するとともに、心からお祝いを申し上げます。



青朱白玄・春夏秋冬

 私は仕事柄、昼食を外で済ますことが多い。
 これまで、2ヶ所の中華料理店でのハプニングに対する対応の違いを経験した。1件目は、野菜炒め定食を注文し、ある程度食べたら中に小さなゴキブリが入っていた。早速、注意し麺類に代えた。店主は丁寧に謝り、料金はすべて不要とのこと。2件目は隣のテーブルで女性がジャージャー麺を注文したら、そのジャージャー麺は冷凍製らしく十分に解凍されずに出てきた。その女性は不愉快に思い、食事も途中でお金を払って店を出て行こうとした。店主は「大丈夫、大丈夫、食べられます」と、のたまうではないか。私は「お金を払う必要などない。“食べられること”と“食事”とは違う」と助け船を出した。しかし、その女性は黙って出て行った。複雑な味の昼食となった。
 2人の店主の対応の違い。礼も言わずに出て行った女性。礼を期待してしまった私。物事に対する個々人がとる対応は十人十色であるが、考えさせられたハプニングであった。(桑折)






■ 編集後記

 河津桜が2月下旬から見ごろを迎えている。春を早く実感しようと多くの人で賑わっていた。しかし気温は低い。暑さ寒さも彼岸まで。早く暖かくならないかと思いつつ、お彼岸直前を目指して編集。本号がお手元に届く頃には、素晴らしい春を迎えていることであろう。(栗山)





「今後の行事予定」 マスターズ事務局

《会員皆様の積極的な参加をお願い致します》

○4月〜9月   上期マスターズ研修  (本部研修室)

○6月11〜12日  マスターズ宿泊研修兼総会  (箱根湯本)

○7月2日    首都圏「生きがい講座」  (渋谷 シダックスホール)

○9月17〜19日  滝行(木曽御岳)

○4月〜3月    17年度講師養成講座