第8号
平成17年5月15日
■マスターズへの関心高まる・研修・ 入会続々と
スコーレ男性の自主組織として、再出発したマスターズが誕生したのが2002年10月でした。
発足当初からの取組は「入会案内」作成、「会員アンケート」の実施、情報紙「マスターズ通信」の発行、「専用ホームページ」の開設、最近では「メールニュース」の配信、ウェブ上の会員交流広場「パティオ」の開設など、男性ならではの独自性を持った情報発信を行って来ました。中心行事である研修も活発化し、家庭研との連携では「おとうさんの10か条」という小冊子に結実し、内外活動の質的向上も図られています。
その間、協会本部の支援による「事務所開設」や「こころの添木CD」の作製もありました。また、日常活動の中心的存在である女性幹部、会員の皆さんからの男性会員を紹介する事例も増えてきました。
これらの相乗効果として、最近ではマスターズ研修の体験受講者が40歳前後の年代層を中心に、目に見えて増加していることと繋がっており、非常に心強い限りです。
そのため前号でお伝えした通り「マスターズ研修」を月2回のコースに増やし、受入定員を80名に増枠する等活況です。
加えて、地方の会員動向を見ても、【北陸地区】では長野が人数的にも一つの活動拠点として形成されて来ており、また富山も大きな拠点として活動する兆しがあります。【北関東地区】では埼玉北部で入会者が増加しています。
これからは、これら拠点の整備と構築を通し、さらなる会員増強を図り、活動の質的向上も図りたいと思います。
■スコーレ・マスターズ生きがい講座(首都圏)
蟹瀬誠一氏を招いて開催
首都圏における「スコーレ・マスターズ生きがい講座」は7月2日(土)に開催の予定です。
『これからの日本人。わたしたちはどこで間違ったのか 』の演題で明治大学教授、文化放送で月曜〜金曜の朝6:30〜9:00に放送されている「蟹瀬誠一 ネクスト!」のパーソナリティー蟹瀬誠一氏にお願いしています。
生きがい講座は、スコーレ・ マスターズの活動の一環として開催するものですが、会員以外の方にも広く門戸を開放しています。ご友人をお誘いいただき、一人でも多くの方々が参加されることを希望します。毎日が忙しい中、半日、じっくりと日本を考えて見るのはいかがでしょうか。
■平成17年度の新研修がいよいよスタート
新年度の「マスターズ研修」は、シニアコースとミドルコースの2本立てとなり、世代に合わせた研修メニューとなりました。
4月10日開催のミドルコース | 4月17日開催のシニアコース | ||
講義風景 テキストは「かく生きてこそ」 講師:小俣富雄副代表幹事 |
講義風景 テキストは「今日、いのちの扉をひらく」 講師:小川本部長 |
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心身開発トレーニング 準備体操風景 トレーナー:藤田和弘氏 |
新機軸のリラクゼーション禅風景 講師:山下相談役 |
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ボイストレーニング風景 | 座禅後の交流会風景 |
四十の手習い、スキーに熱中してみれば
東海・ 中部地区 稲川武美
約10年ぶりの趣味としてスキーに熱中し3シーズン目。四十の手習いで体力づくり、好奇心をもって新たな技能への挑戦は楽しいものです。シーズン中はスキー学校に数回参加し、終盤には技術検定を受けることにしています。現在は上級者への登竜門である1級検定に挑戦中です。趣味でも目標をもつといろいろな場面で教訓を得るものです。
例えば、指導員による指導の根幹はどんな斜面や雪質でも安全に滑走できる技術の修得ですが、今の私には、自然が相手で常に変化する斜面状況にワンパターンの技術では対応しきれない。コブ斜面では足下のコブではなく3個先のコブを見て体勢を準備しないと破綻するなどと指導されます。身体の全感覚が外部環境と常に交信し状況適応するあるいは変化を予見する能力を高めることが重要としています。
この本質は日常生活でも同様ですが、はて実践は如何なものか。最近は技術向上だけにあまり熱くならないようにし、職業、年齢など様々なスキー学校の指導員や常連受講者との交流も楽しむようしています。
連 載
私の人生学 そのB
北陸地区リーダー 近藤 悠
第3章 壮年期のこと
出 向
バブル崩壊後のこの10年余、企業再編や人員削減の波が、私たちに働くことの意味を問い質している。私たちはなぜ働き、何を仕事に求めるのか、様々な価値観に惑いながらもその答えを探し続ける。それぞれには、如何に厳しくても仕事を通じてこそ得られる矜持がある、働くことにより実現したい夢も数多い。私自身もまた、同様である。
苦い思い出であるが、壮年期のある時期、多くの人たちのそのような矜持や夢を断ち切る役割を、私は務めた。
私は定年(55才)まで勤務した地方銀行で、他の企業などに都合3回(通算10年ほど)出向した。3回目、平成での出向先は、会社存続のために諸々の合理化が緊急課題となっていた企業であった。
リ ス ト ラ
戦後の50数年間、政官業連携の下で一貫して拡大を続けてきたその業界(建設業)は、当時、整理縮小期のただ中にあった。不況による民間需要の減少に加え、公共工事は財政改革により先細りしており、少なくなったパイを巡る受注競争は「叩き合い」の様相を呈していた。大手・中堅企業の相次ぐ破綻がマスコミをにぎわせ、栄枯盛衰のドラマは、ドック・イヤーのスピード(犬の1年は人の7年に相当する)で進んでいた。
建設会社や金融機関などの淘汰は、日本のバブルの宴の最終ステージではあったが、舞台にある当事者にとっては、会社の生き残りをかけた厳しく苦しい日々となった。
経営再建の観点からは、「市場規模の縮小(売上高の減少)に伴う社内体制の見直し⇒人件費など経費の圧縮⇒相当数の人員削減」となる。しかし、社員一人ひとりには、顔があり、名前があり、家族があり、それぞれの人生がある。自明のことである。
経営管理の数値「人件費一人分の削減」は、「社員一人の失職」を意味する。
経 歴 書
退職勧奨をする社員の経歴書が、相当数、私の手許にあった。
入社後の係替えや転勤が、数年の間隔をおいて記録されている。昇給・昇格があり、結婚や子供の出産も見られる。そして、病気や住居の新築なども。
その一行、一行の出来事には、歓喜や気負いがあり、折々に、苦渋悲哀も味わったはずである。しかし事務的な文字がならぶ書類には、そのような体験や感情についての記述はなく、行間に隠れている。それぞれが過ごし体験してきた歳月の意味が、重かった。一人ひとりが、過去を担ってかけがいのない人生を歩んでいる、私と同様に。
紙の上に記録された文字の背後に溢れるものを感じながら、私は自分の果たす役割に慄然とした。
励 ま し
自己否定の感情が増す。気持ちの平静を保つため、日ごろ親しんでいる座右の言葉を思った。
「一灯を掲げて暗夜を行く。暗夜を憂うることなかれ、ただ、一灯を頼め。」
「一つの時代は去り、次の時代が来る。日は昇り、日は沈み、またもとの昇るところに帰っていく。川はみな海に流れ込むが、海は満ちることがない。」
永池会長からは、「それは誰かが取り組まねばならない仕事でしょう。とすれば、あなたが立派に果たすべきです。」との励ましをいただいた。大変、心強かった。
青臭い感慨ではあろうが、窓の外に吹き荒れる風を眺めているのではなく、己の髪をなびかせ、四肢を踏ん張り風にまかれて立っている自分でありたい、と思った。
(次号へ続く)
会員動向
大島尚
平成16年度の会員動向について、ご報告いたします。平成16年度末の会員数は、211名となりました。第2回総会においてご報告したとおり平成15年度末の会員数は181名でしたので、30名増加したことになります。
平成17年度からは、マスターズ研修もシニアコース、ミドルコースの2コースとなり、間口も広がり、マスターズの勢いも増しつつあります。さらなるブレークをめざし、お仲間を増やしていきたいものです。事務局への連絡は大島へお願いします。
メールニュース配信&Web Patio
藤田和弘
多くの方からメールアドレスをご登録頂き有り難うございました。マスターズメールニュースも順調に立ちあがり、登録されましたメンバーの皆様にタイムリーな情報発信ができるようになりました。また、マスターズメンバーの広間座談のネット版とも言うべきパティオも環境が整備されました。会の創立25周年に合わせるかのように、マスターズのIT化も現在着々と進行している最中です。ITインフラの整備とそれを利用した闊達な意見交換は車の両輪です。このIT環境を利用して、多くの方々が積極的に発言、意見交換をしてくださるようお願い申し上げます。アドレス登録は webmaster@schole-masters.org まで。
最近、街の美観ということで緑化や看板の規制、電柱の埋設化が進められていることは大変喜ばしいことである。
過日、豪州シドニーの都市景観の素晴らしさに接する機会があった。シドニー湾に架かるハーバーブリッジはアーチ橋で、その隣には高層ビル群が鎮座している。中央に位置するビルが最も高く、左右へなだらかに低くなっており橋同様の美しいアーチ形の洗練された都市景観を成している。
イギリスの社会学者・日本研究家のロナルド・ドーア教授は“国際神経”という言葉を用い、日本人は外国から自国を見ることに慣れていないことを指摘している。日本の港は陸から見て作るが、外国は海から眺めて港を設計するそうだ。
スコーレ・マスターズでたくさんのメンバーとの交流を通し、外側から自分を見つめてみることは大切であると思う。 (桑折)
■ 編集後記
4月26日尼崎市で起きたJR西日本福知山線の脱線事故は死者107名の大惨事となった。負傷された方々の一日も早いご回復、また、お亡くなりになった方々のご冥福を心からお祈り申し上げます。
直接の原因は遅れを取り戻そうとしたスピード超過。背景には厳しい運行管理があったとの指摘もある。幅広い観点から事故の究明が行われ、プロといえども人間であるとの観点を含め、二度とこのよう事故が起きないようハードソフト両面からのきめの細かい対策を望む。(栗山)
「当面の行事予定」 マスターズ事務局
■ 上期マ ス タ ー ス ゙ 研修(4月〜9月)
本部研修室
■ ス コ ー レ 会員総会(5月21〜22日)
箱根湯本ホテル
■ マ ス タ ー ス ゙ 宿泊研修兼総会(6月11〜12日)
箱根湯本ホテル
■ 永池会長学位を祝う会(6月17日)
新宿ヒ ル ト ン ホ テ ル
■ マ ス タ ー ス ゙ 生きがい講座(7月2日)
渋谷・シ タ ゙ ッ ク ス ホ ー ル
■ 25周年記念早朝研修(7月24日)
全国各早朝研修会場
■ マ ス タ ー ス ゙ 通信第9号発行(7月中旬)