★★スコーレ・マスターズ通信★★ 第9号
平成17年7月25日

■「生きがい講座」大盛況

 副代表幹事 小俣富雄

 去る7月2日「生きがい講座」を渋谷で開催しました。今回は、講師にニュースキャスターの蟹瀬誠一氏をお招きし、「これからの日本人。わたしたちはどこで間違ったのか」と題してご講演をいただきました。
 昨年までの新宿住友ビルから、一転して若者の街渋谷に進出。丁度、マスターズに若手メンバーがどんどん加入している今日と見事に符合しているかのようです。
 当日の参加者は175名。例年の110名前後を大幅に上回りました。今回も、男性もしくはご夫婦での参加を呼びかけたので、男性参加者数は57%を占め、まずまずの成果となりました。
 講師の蟹瀬先生のお話は、さすがニュースキャスターだけあって、メリハリがきいて分かり易く且つ興味ある内容でした。
 特に、学級崩壊の問題では、「原点は家庭教育にあり、今後の学校教育のキーワードは、Ex-plore(探求)、Explain(説明)、Exchange(知識の共有)の3Xが必要だ」と力説されました。また、家族帯同でのアメリカ留学体験や、フランスの哲学や自由に関する教育を例に、諸外国と日本の価値観の違いを具体的に説明し、いわゆる「文化」を大切にすることがこれからの社会を仕合せにして行くのではないか、と主張されました。
 参加者の中から「入場料千円では安過ぎる」という嬉しい声があり、中味の濃いセミナーだったと、実行委員一同、改めて実感しました。

     



■ 長野ブロック 初の地区交流会開催
長野ブロック事務局 井上顕太郎
  6月27日(月)午後7時30分から、先に開催されたマスターズ会員総会・宿泊研修の報告も兼ね、長野ブロック初の交流会が上田市で開催されました。ご多忙の中、遠路お越し頂いた永池会長、三橋代表幹事、地元の太田ブロック・ リーダーを始め十余名が参加し、終始和やかな雰囲気で談笑する会合となりました。自己紹介では、日本建築へのこだわりやご自身の家庭事情など、仕事や経歴などのしがらみがなく色々伺う事が出来ました。ブロックの事務局としては、心身開発トレーニングや懇親会、そして永池会長博士号授受などを報告。永池会長からは心身開発トレーニングの一つであるリラクゼーション禅、さらには、滝業や断食などの様々な”修行”について、非常に興味深いそして分かり易い経験談を伺うことも出来、”私も是非やってみたい”と言われる方もいた程でした。このように多様な話題で盛り上がり、時間を惜しみつつ、最後に全員で記念撮影をして散会となりました。
 日々の仕事に追われながらのマスターズ活動への参加は、きちんとしたスケジュール管理と、活動の質にこだわる姿勢が大切と感じ、これからの長野ブロックの発展のために自分は何が出来るのか、そして何をしたいのかにこだわりたいと思います。そして次回、次々回と、回を重ねるごとに着実に会員が増え、更に密度の濃い活動が出来ることを願いつつ、微力ながら頑張ります。

 



投稿コーナー

私と家族
京浜地区  星野邦昭


 34年間会社組織の中で懸命に頑張って働いてきたが三年前事情により辞めることにした。決断は早かったが、思いは複雑であった。その時自分に対して二つの約束を課した。一つは、職種はどうであれ健康で元気で70歳までは現役として外で働くということ、二つ目は地域社会との関りを持つこととした。
 今この川崎でブナの木を育て増やす試みを通して地域の人達と楽しい活動を始めている。
 また、育てあげた子どもがそれぞれ社会に出て、元気にやっている姿を見て安心すると共に夫婦の幸せな生き方を改めて考えると、自身に課した二つの約束を履行することがますます大切なことだと思える。
60歳の誕生日がついにきてしまったが、先日思いがけなく長男から「お父さんの還暦の祝いをホテルで行うので日取りを決めてほしい」との申出があったので、経緯を聞いたところ子ども三人の費用負担で既に内容も検討済みとのこと、思案した結果快く受入れることにした。改めて子ども達の成長とその思いやりに胸に込上げてくるものを感じた。
 感受性豊かな子どもに成長したことは妻がスコーレで学ばせていただいた結果だろうと感謝の気持ちでいっぱいです。

何事も後回しにする自分を反省 
中国地区  岩井一弘

 三年前に妻を通して、スコーレ家庭教育振興協会を知りました。朝早く起きるのは少し、しんどいですが、早く起きて体を動かすことは、健康の為にとても良いことだと思います。早起きをすることで、時間の余裕ができるし、何と言っても気持ちが良いと言うことです。いつも早朝会場で、お会いする方達は、笑顔と、あいさつがとても素晴らしいです。私も見習って、妻や子ども達に、自分の方からあいさつを心がけています。また以前は、子ども達を呼んでも「なに」とか「どうしたん」と言う返事しか返ってきませんでしたが、スコーレの母親講座で学ぶ機会があり、そこで、子どもは親の後ろ姿を見て育っているのだから、親がすすんで「はい」と言う返事をすることで、子ども達も変わってくるのだと、教えていただいて、さっそく実践をしています。
 また、スコーレの学びの中で、「その時その場に取り組みます」と言う道標の言葉がありますが、私は何でも後まわしにする癖がありますが、道標の教えに心打たれ、何事にもすぐに取り組むように、決心しましたが、中々直りません。それでも以前よりも少しずつですが、前進しています。
 時々、妻と一緒に頒布に出かけます。チラシや「月刊すこーれ」を渡すと、相手の方が、ありがとうございます、ごくろうさんと言われます。相手の方が、ほんとうに喜んで頂けることで、また頒布に行こうと思います。これからも、人のために役に立つ人間になりたいと思います。



おたまじゃくしを見ていて
 北陸地区  木下敏之

私は会社に勤めながら夫婦で有機栽培の水田を1ヘクタールほど作っている兼業農家です。ある日、水田の水を見に行ったところ、たくさんのおたまじゃくしが泳いでいました。
 農薬の量が少なくなったせいで、付近の水田にもたくさんの生き物が住みつくようになりました。それはいいのですが、困ったことがあります。今は水田の落水時期(稲の根の発達を良くするために梅雨まえに10日ほど水を切り田を乾かすのです)。今、水を落とすと、おたまじゃくしはみんな死んでしまいます。
 どうしょうかと考えていると、ふと気がついたことがあります。いままで私は何度となくこんな場面に出くわしたはず。いつもは惑わず水を落としていました。しかし今はおたまじゃくしを愛おしく思い、水を落とすのを躊躇しています。もしかしたら、これはスコーレを学び始めたせいでしょうか? ほんの少し感性が磨かれ、小さな命にも気配りができるようになった事がうれしく思いました。
 今まで私は、ただお米を作るだけ。他の生き物や水や自然の恵みに感謝することを忘れていました。これは私の家族に対する考え方にも同じことだと思いました。まずは感謝の気持ち、おたまじゃくしに気付かされました。結局水を落とすのをやめました。「早くカエルになれよ」そう心の中でつぶやき水田を後にしました。 



■ 人生学講座
連 載
私の人生学 そのC


北陸地区リーダー  近藤 悠


第3章 熟年期のこと

 還     暦   
 8月、終戦を起点とするわが国は還暦を迎える。
そして、私の属する「プレ団塊」の世代(団塊世代の数年前を歩む)もまた、すでに60歳を過ぎた。この世代というくくりは、生まれ育った時代環境が同じというだけではなく、共通する特有の思考形式や価値観で互いにつながっているように思う。プレ団塊は、戦後の日本経済が高度成長期を迎える時に青年期を過ごし、わが国の台頭と個人の社会人生活が重なり、壮年期にはその多くが会社中心の生活ゆえに企業戦士と揶揄された世代でもある。


企 業 戦 士
 私が勤務した金融界について見れば、都市銀行13行、長期信用銀行3行を中心に、厳しい競争を続けてきた。自身を省みても、貸出金の申請などのため残業を重ね、家に持ち帰り日曜日の深夜まで仕事をするといった日常もあり、結婚したばかりの妻を驚かせた。勿論、日本や会社の前途に不安を抱くことはなく、将来にわたる所得の上昇にも疑問を持たなかった。また、社会変革を願い、ひととき学生運動に活躍した友人たちにも、安定した暮らしの風景があった。
 しかし、この10年余に襲った大津波(バブル崩壊)の中で企業再編が進み、例えば、前述の金融界では、都市銀行は実質4行に、そして長期信用銀行に至っては一つも残っていない。熟年期にあるプレ団塊の多くにとり、まさに往時茫茫の感で、人員削減の波に洗われたこともあって、仕事中心であった生活への疑問符が膨らんだ。私の世代での仕事中心の生活は誤りだったのだろうか。人生の成功とは、いったい何だろうか。


円  熟  
 評論家の小林秀雄氏は、「人生の成功は、遂行された計画ではない。何かが熟して実を結ぶことだ。それは円熟という言葉で表される。」と述べている。円熟とは、自分を超えた何か、例えば美とか真理とかを追求し、幾多の障害を越え、失敗に耐えての果てに、備わってくるもののようである。画家の棟方志功さんは没我的に美を追い求めて、洒脱の境地に達した。ノーベル賞受賞者の田中耕一さんは地道な研究を続け、純真無垢な功名心なき態度が私たちを魅了した。視聴覚障害者の教育と福祉のパイオニアである今西孝雄先生のお人柄にも惹かれる。
 小林氏が述べているように、仕事に打ち込むことにより円熟が生み出されるとすれば、仕事中心の生活ではあっても、私たちも人間として円熟することが期待できるのではなかろうか。大切なことは、永池会長が述べておられるように、「理想精神」であり、「家庭や社会参加とのバランス」への希求であろう。どうやら、仕事中心の来し方を全否定しなくても良さそうである。



快    老
 先日、94歳の今西先生から書き初め「快老」の話をお聞きする機会があり、白楽天の詩句「覧鏡喜老」(鏡を覧て老を喜ぶ)と思いが重なった。それは余生や残日月の心境とは異なる、いわく、「老いとは即ち、生まれて、時多きなり」の心意気である。私のこれからの人生に、大いなる勇気をいただいた。熟年期の今、自らの青春を惜しむ気持ちはない、青春に続いて朱夏があり、白秋があった。さらには、これからの玄冬も存分に味わいたい。現在担っている仕事や社会参加への意欲が膨らむ。そして、妻と共に自然随順で枯れる、それでいいし、それがいい。悠久の生命連鎖の中で、いずれ、落葉帰根の時を迎える。 [完]




■ 事務局便り

Webmaster より
  藤田和弘

  今回は、Patioへの書き込みから人気のスレッドの内容を一部紹介いたします。「子どもたちとのコミュニケーションについて」・・「残業で遅くなったときに、家内に勤務先まで車で迎えに来てもらい、コミュニケーションを取っていた時期があります。同乗者のみとの会話に集中できるので、兄弟がいた場合、お子さん一人だと最高では。」(KURI氏)、中学生の息子とのコミュニケーションの取り方の問に対しても素早いレスが入ります。「息子と良く原っぱでキャッチボール。投球動作が前向きか、思いやりがあるか、投げやりかで、息子の内面を判断。」(金やん氏)、「上の子が中学生の頃は年下の子の勉強を観させたり、キャンプのリーダーをさせたりする。年上の子は下の子の面倒を見さすと責任感を持つようです。そして親は離れて暖かく見守る。」(chousann氏)と、先輩方の経験を語ってくれます。皆様もPatioへ、是非訪問しご利用ください。

青朱白玄・春夏秋冬

 過日、川崎市にある民家園を訪れた。全国各地から移築された20数軒の民家は緑の中で生き返っていた。女優の浜美枝さんは民家に造詣が深く、借家住まいであった頃から結婚相手は「舅、姑さんのいる跡取りの長男息子。しかも登記簿謄本に家・屋敷が載っているところに嫁ぐ」と決めていたそうだ。浜さんは全国各地をロケするうちに古民家の素晴らしさを知り、ある時は壊されていく古民家が“生き返らせてくれ”というのを聞いた事もあるという。さらに囲炉裏の形について木地師から、長期間山に入り作業する彼らは四角い囲炉裏を囲み互いに正面を向き合うことを大切にしたと教わったそうだ。一人でも増えると新しく小屋を建て、炉を切ったそうである。人と人とが互いに向き合う事の大切さが炉を四角形にしたという話であった。訪れた日は多くの家族連れでにぎわっていた。子供たちも古民家のやさしさと昔の職人の技術の素晴らしさを肌で感じたことだろう。(桑折)





■ 編集後記

 本号が配布される頃は夏休みシーズン本番。家族との触れ合いを兼ね、旅行へ出かける方も多いと思いますが、とかく見落とし勝ちな、近くの名所旧跡を訪ねるのも一案ではないでしょうか。 (栗山)





「当面の行事予定」 マスターズ事務局

@8〜9月・上期マ ス タ ー ス ゙ 研修 
        (本部研修室)
A9月17〜19日・滝行
        (木曽御嶽山)
B10月〜3月・下期マ ス タ ー ス ゙ 研修
        (本部研修室)
C10月中旬・マ ス タ ー ス ゙ 通信第11号発行
        (広報委員会)
D10月16日・スコーレ25周年記念大会
        (中野サンプラザ)
E11月19日・東海「生きがい講座」
        (岐阜市・会場未定)
F11月予定・第5回川上杯コンペ
        (場所未定)